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メゾンドヴァン鶉亭

Author:メゾンドヴァン鶉亭
京都鴨川のワインダイニングです

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「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★7月のお勧めボトルワイン

CHABLIS VALMUR ’20 (Jean Collet et Fils) \ 20,000
シャブリ ヴァルミュール (ジャン コレ エ フィス)

シャブリに1792年より代々伝わるワイン造りの家系。現在のコレ社はマリウス・コレとその妻アグネス・ピノにより設立され、マリウスの息子ジャンが1952年からワイン造りに携わっています。ジャンは1954年にそれまでワイン商に売っていたワインを自社でボトリングを開始し、ドメーヌとして自立。1959年よりアメリカ合衆国への輸出を開始。 1979年、マリウスから3代目の現当主ジルが加わり現在のドメーヌ ジャン・コレ社となりました。代々大切に受け継がれてきた最高の畑から豊かなミネラルを感じるシャブリらしいシャブリを造り続けるドメーヌです。ジルは伝統的なワイン造りを残しつつ、ビオロジー栽培にも挑戦しており、現在は息子のロマンが醸造長を務めています。本来のシャブリとしての個性を持ったワインを生み出すメーカーは限られています。その中で現在シャブリの醸造のスタイルが2つあり、一つは伝統的な樽熟成によるワイン造り、もう一つはステンレスタンクによる醸造法です。多くの生産者はどちらかの醸造法を自社のスタイルとしています。ジャン・コレは畑毎の葡萄の個性に応じて最良の醸造法を実施して、木目細かなワイン造りを自社のスタイルとしています。シャブリ、プルミエクリュ・モンマンはステンレスタンクで発酵・熟成、プルミエクリュ・ヴァイヨンは8000リットルの大樽、グラン・クリュ・ヴァルミュール、プルミエ・クリュ モン・ド・ミリュー、モンテ・ド・トネールは小樽を使用しています。加えて、畑の持ち味をさらに活かすため、20年近いビオの栽培の経験をもとに2008年からビオによる栽培面積の拡大と自生酵母の使用を推奨しているのです。クラシック・シャブリを見事に表現するグラン・クリュで、輝きのある黄金色。アプリコット、桃などの熟した果実の香りの中に柑橘系のニュアンス。火打石の香り、樽熟成によるバニラ香、複雑で重厚な味わいですが、充実した酸味とミネラル分が骨格を作り、全体を上手くまとめ上げています。

(2023.7.01[SAT])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★6月のお勧めボトルワイン

BEAUNE.Les Aigrots Blanc '16 (De Montille ) \ 17,000
ボーヌ レ エイグロ ブラン ‘16 ( ド モンティーユ )

ヴォルネイのドメーヌ・ド・モンティーユといえば、古典的ワインの銘醸家として名の知れたドメーヌです。
映画「モンドヴィーノ」でも主役級で取り上げられたので、ご記憶の方も多いに違いないと思います。
先代のユベールはディジョンでの弁護士が本業。というのも1947年にドメーヌを相続した時、ブドウ畑の面積はわずか3haしかなかったのです。その後、息子のエティエンヌとともにブドウ畑を拡張し、1990年代には7haを超えるまでに広がりました。このエティエンヌもパリのクーパース&ライブランド(現プライスウォーターハウス・クーパース)の会計士として働いていたのですが、2001年にブルゴーニュに戻り、シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェの経営に就くと同時に、ドメーヌ・ド・モンティーユの当主となりました。もっともエティエンヌ自身は1983年からドメーヌのワイン造りに関与しており、1995年には実質的にドメーヌの主導権を握り、ブドウ栽培をビオロジックへと転換。父から子への継承は着々と進んでいたのです。
エティエンヌがフルタイムで経営にあたるようになってからというもの、ドメーヌの版図拡大は凄まじいものでした。
1993年にはすでに、ピュリニー・モンラッシェ1級カイユレをジャン・シャルトロンから買い取っていましたが、2004年にボーヌ1級エーグロ(白)、特級コルトン・クロ・デュ・ロワ、コルトン・シャルルマーニュを入手。2005年にドメーヌ・デュジャックと共同でトマ・モワイヤールを買収し、コート・ド・ニュイにも進出しました。この時にヴォーヌ・ロマネ1級マルコンソール、ニュイ・サン・ジョルジュ1級オー・トレイ、特級クロ・ド・ヴージョをラインナップに加えていくのです。
さらに2012年、エティエンヌが経営を任されていたシャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェをオーナーの金融機関から買い取ってしまったのです。ただし、シャトーが所有していた特級モンラッシェとバタール・モンラッシェは、この買収に協力したシャトー・ラトゥールのフランソワ・ピノーに譲り、彼のドメーヌ・ドゥージェニーに加わることとなりました。
2017年からは、シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェとして生産されていたワインは、全てドメーヌ・ド・モンティーユとなったのです。白ワインのラインナップ拡充を見越して、エティエンヌはともにマイクロ・ネゴスのドゥー・モンティーユを運営していた妹のアリックスを、2006年から白ワインの醸造責任者に任命しましたが現在彼女はドメーヌを離れています。
一方、赤ワインはエティエンヌがおもに監督するものの、全体のセラーマスターとしてアメリカ人のブライアン・シーヴが2010年に就任しています。現在、ネゴスは、メゾン・ド・モンティーユ として生産されているのです。
こうしてあまりにも拡大したためヴォルネイの醸造施設では間に合わなくなり、現在は旧ロピトー・ミニョンが所有していたムルソーのセラーでワイン造りをしています。
一般にエレガントとされるヴォルネイでさえも、「いつ開くのかわからない」と言われたドメーヌ・ド・モンティーユのワインですが、今日では若いうちから香り高く、そしてタンニンもしなやかなものとなり、かつ長期熟成にも十分耐え得るスタイルへと大きく変化しています。全房を用いた醸造など、基本的にはユベール時代の様式を継承しながらも、より完熟したブドウを摘み取り、抽出の仕方や発酵温度の管理をより綿密に行うことで、現在のスタイルを築いてきました。
ドメーヌのボーヌの1級≪レ・エイグロ≫(0.49ha)は丘の麓に位置し、土壌は泥灰岩を含む粘土石灰で傾斜は緩やかです。果実味と豊かさ、良質なワインをもたらし、早く飲んでも美味しい親しみやすい「シャルドネ」にとなります。

(2023.6.01[THU])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★5月のお勧めボトルワイン

CHASSAGNE MONTRACHET En Pimont '20 ( Au pied du Mont Cauve ) \ 19,000
シャサーニュ モンラッシェ アン ピモン ‘20 ( オー ピエ デュ モンショーヴ )

シャサーニュ・モンラッシェ村に本拠地を置くネゴシアン、Famille Picard/ファミー ユ・ピカール社。同社が所有する約 135ha の畑の中から最良の区画のみを選出 し、実験的にビオロジック・ビオディナミ栽培を実践してきました。それらの畑をメゾンとは 完全に切り離し、高品質のワインを生産するドメーヌを創立する構想が持ち上がります・・・当主のミシェル・ピカール氏の息女 Francine/フランシーヌ氏がまず行なっ たのは、メゾンの醸造スタイルを一新し、ワインの品質を飛躍的に向上させる事。約2年間の歳月を費やし、新生ファミーユ・ピカールとして見事再スタートさせました。 そしてこれを機に、今まではメゾンのワインにブレンドされていたシャサーニュやピュリ ニー村の最良の畑を携え、メゾンの 3 代目フランシーヌ・ピカール氏を当主に、メゾ ンとは全く独立した Domaine Au Pieds du Mont Chauve/ドメーヌ・オー・ピエ・デュ・モン・ショーヴが誕生します。2010 年がファーストヴィンテージ。所在はシャサーニュモンラッシェ村。栽培醸造はフランシーヌ氏とメゾン新生の立役者でもあるファブリス・レーン氏などを含む 4 名のスタッフで行われます。ファブリス氏は Bouchard Pere & Fils 社で白ワインの醸造責 任者を担当、その後、Maison Nicolas Potel でもニコラ・ポテル氏の片腕と して辣腕をふるい、退社後、それまでの華々しい経歴を買われドメーヌ・オー・ ピエ・デュ・モン・ショーヴに。サントーバン、シャサーニュ、ピュリニーに 15ha の葡 萄畑を所有。レ・ヴェルジェ、レ・カイユレ、ル・ドモワゼルなどの 1 級畑はベルナ ール・コランから買収。手付かずの自然の状態であった畑を、2006年よりドゥ・ セニュール氏(25 年以上のキャリアを持つ南仏のビオディナミスト)をコンサル タントに迎え、ビオディナミ農法を慣行。一部のピノノワールの畑を除き 2013 年にはすべての畑をビオディミに移行します。フラッグシップとなる、PULIGNY MONTRACHET 1er LES DEMOISELLES/ピュリニー・モンラッシェ 1 級レ・ドモワゼルは特級畑のル・モンラッシェとシュヴァ リエ・モンラッシェに隣接する最上級の区画。その昔は『レ・ドモワゼル・モンラッシェ』としてリリースされていた事実上のグランクリ ュ。イギリスの著名ワインジャーナリスト Jancis Robinson 女史が既に大変高い評価をしており、また、R.Parker.com のテ イスターの David Schildknecht 氏、Michel Bettane 氏等、世界を代表するジャーナリストが噂をききつけて、ドメーヌま で訪問をしている話題のドメーヌです。ドメーヌ名【AU PIED DU MONT CHAUVE】はモンラッシェの語源となる【はげ山 のふもと】を意味します。
手摘みで収穫後、選果台で厳しく選果し空圧式プレス機で2時間半かけ圧搾。室温で12時間のデブルバージュ を行い、アルコール発酵のため樽へ。アルコール発酵には1ヶ月かけ、続いて木樽へと移し5ヶ月間熟成。新樽が50%、残 り50%は1〜3年樽。続いて樽の香りがつきすぎないように2年樽の大樽へ移し、更に10ヶ月間熟成。樽熟成が終わると空気に触れないようにステンレスタンクへと移し2ヶ月休ませ、軽くフィルターを掛け瓶詰されます。
輝きのあるグリーンがかった淡いイエロー。粘性は高め。香りにはアプリコットやピーチ、パインなどの果実香にスイカズラ、アカシア、カルダモン、アニス、ペッパー、周りをシトラスの香りが爽やかに縁どり洗練された趣があります。そして樽熟由来のトーストやヘーゼルナッツ、キャラメルの香り。石灰やスモーキーなニュアンスをもつ深いミネラルの香りがさらなるが複雑さと奥行を与えます。アタックはなめらかで豊満なボディ感、それでいてくっきりとした輪郭をもち酸味は伸びやかでバランスがとれています。ミネラルを含みストラクチャーがしっかりとした辛口で、新鮮味はもちろん程よいオイリーさとまろやかなコクを兼ね備えて、樽の影響を強調しすぎることなく優美なテロワールを体現しており、今飲んで素直に美味しくモダンなスタイルに仕上がっています。アフターフレーヴァーの広がりも素晴らしく、合わせるお料理は、白身肉や魚介のグリル、ソース炒め、ホワイトソースを使った白身肉の料理etcがおすすめです。

(202305.01[MON])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★4月のお勧めボトルワイン

CHASSAGNE MONTRACHET. Morgeot '19 (Labruyere Prieur) \ 28,000
シャサーニュ モンラッシェ モルジョ (ラブリュイエール プリュール)

ドメーヌ・ジャック・プリウールのオーナー、エドゥアール・ラブリュイエール が2013年に設立。当初はプイイ・フュィッセやコート・ド・ニュイの熟練のヴィ ニュロンからブドウを購入していましたが、2018年にコート・ド・ボーヌに 8ヘクタールの畑を取得し、栽培から醸造まで手掛けるオートクチュール・ブランドへと進化しました。持続可能な栽培方法を実践し、ジャック・プリウールと同様にナディーヌ・ギュブランが醸造長として全ての品質管理を担っています。 ニッチなアペラシオンを通じてブルゴーニュの偉大なテロワールを伝える、 伝統的ドメーヌの新しい試みです。ご存知のようにシャルドネ100%をマールが混ざった石灰岩土壌で育て、手摘みで収穫し丁寧に空気圧プレスで圧搾。100%樽発酵、20ヶ月の長期に亘る樽熟成を施したワインはアカシアの花、フレッシュなハチミツ、スパイスの華やかなアロマを醸し出し、レモンや石灰のニュアンスを感じるミネラルが芳醇で力強くエネルギッシュな味わいで、驚く程長い余韻が続きます。

(2023.4.01[SAT])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★3月のお勧めボトルワイン
Nuits St Georges 1er Cru Les Vignes Rondes ’12 (Confuron Cotetidot)  ¥23,000
ニュイ サン ジョルジュ レ ヴィーニュ ロンド (コンフュロン コトティド)

ジャッキー・コンフュロンが父からブドウ畑を譲り受けた時、その面積は2.5haしかなかったと言います。現在は11haに広がった畑を、ジャッキーのふたりの息子、ジャン・ピエールとイヴが管理。
ジャン・ピエールはボーヌのメゾン・シャンソン、イヴはポマールのドメーヌ・ド・クールセルをコンサルタントし、ふたりとも有能な醸造家です。ところが性格は異なり、兄のジャン・ピエールは真面目一方ですが、実質的に実家のワイン造りを取り仕切る弟のイヴはシニカルな冗談が耐えないそうです。醸造するアペラシオンは、今やコート・ド・ニュイに止まらずコート・ド・ボーヌにまで及び、ポマールやムルソーも手がけています。特級畑はエシェゾーとクロ・ド・ヴージョに小さな区画をもち、それぞれ樹齢60年と80年の古木です。父ジャッキーの時代からこのドメーヌは遅摘みをモットーとし、可能な限り熟したブドウを収穫。毎年、最後に摘み取りを行う造り手として知られています。
収穫したブドウは、除梗せず全房のまま発酵桶へ。低温マセレーションを行い、ブドウの皮からアロマを抽出。続いて自生酵母による自然発酵。キュヴェゾン全体の期間は長く、樽熟成についても独特のポリシーをもち、新樽率は低い一方熟成期間は長く、30ヶ月に達することも珍しくないそうです。こうして造られるワインは、深みのある色調と豊かなアロマをもち、そして味わいも濃縮感溢れるタイプ。まさにヴァン・ド・ガルドと呼ぶに相応しい、大きな体格のワインとなります。今月のおすすめワイン“ニュイ サン ジョルジュ レ ヴィーニュロンド‘12”は「11年」の歳月を経て色調も均一なトーンに移行し、トップノーズも熟成から醸し出される「フランボワーズ」のブーケから、こなれた酸味の中に「リキュール」っぽい甘さも感じる、まさに「時」を感じさせてくれる「グランヴァン」となりました。かつては伝説の醸造コンサルタント‟ギィ アッカ“氏の指導の下、テロワールを超絶したブルゴーニュらしからぬ「濃いぃ」ワインを範としてきたドメーヌですが、すでにその「呪縛」から逃れて、それぞれの「コミューン」らしさを大事にした「チャーミング」なワインを造り出しています。

(2023.3.01[WED])

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