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メゾンドヴァン鶉亭

Author:メゾンドヴァン鶉亭
京都鴨川のワインダイニングです

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「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★10月のお勧めボトルワイン

CHAMBOLLE MUSIGNY.Le Clos de l'Ormes '18 (Jacques Cacheux) ¥ 17,000
シャンボール ミュジニー ル クロ ド ロルム (ジャック カシュー)

「ジャック・カシュー」の名前が挙がると真っ先に思い浮かぶクリマは、「ヴォーヌ・ロマネ」村1級畑の「ラ・クロワ・ラモー」でしょう。「ロマネ・サン・ヴィヴァン」に隣接する0.6haのこのクリマは“カシュー”家のモノポールというわけではないのですが、ほかにも2軒のドメーヌが所有していますが、「カシュー」を代表するクリマとしてよく知られています。
もともと「サン・ヴィヴァン」修道院の畑として、今日の「ロマネ・サン・ヴィヴァン」に含まれていた区画であり、80年代半ばには「ジャック・カシュー」が特級昇格をINAOに申請した経緯があるのです。
ラベルに見える十字架(クロワ)はこのクリマの石垣上にあり、「ヴォーヌ・ロマネ」村にある5つの十字架のなかでも一番古いものだといわれております。
94年に“ジャック”は引退し、現在、ドメーヌの当主は息子の“パトリス”が務めています。「カシュー」が所有する畑の面積は合計6.7ha。ほとんど「がヴォーヌ・ロマネ」村ですが、「ニュイ・サン・ジョルジュ」村と「シャンボール・ミュジニー」村にも小さな区画をもっております。村名「ヴォーヌ・ロマネ」はクリマごとに醸造し、5つの銘柄に分かれます。それぞれが異なる個性をもっており興味深いラインナップです。ブドウ栽培はリュット・レゾネ。ブドウは完全に除梗し、ステンレスタンクを用いて醸造します。11〜15度の温度で1週間の低温マセレーションの後、自生酵母による自然発酵。その後、17ヶ月の樽熟成を施します。新樽率は村名で3分の1、一級以上は100%と高めですが、“パトリス”の造るワインは全体に果実の凝縮度が高いため、新樽を受け止めるには十分です。
今回おすすめのワインは「シャンボール・ミュジニー・ル・クロ・ド・ロルム2018年」でございます。
1級畑の「レ・プラント」と「シャルム」の下に位置する村名畑で、MW(マスター・オブ・ワイン)の“ジャスパー・モリス”氏は1級に値すると評しています。「レ・プラント」や「シャルム」同様、リッチなスタイルです。よく熟したフレッシュなアセロラのような赤系果実やプラム、スミレ、スパイスの香りが漂います。非常にタンニンが滑らかで柔らかな口当たり。バランスに優れた、繊細なフルーツの濃縮感が素晴らしい仕上がりです。
是非、食欲の秋、美食の会のお集りの際には、ご指名下さいませ!!。

(2022.10.01[SAT])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★9月のお勧めボトルワイン

BLANC DE LYNCH BAGES '18 (Bordeaux) ¥ 17,000
ブラン ド ランシュ バージュ (ボルドー)

「メドック」格付け五級にも関わらず、ときに「スーパーセカンド」とも呼ばれる「シャトー・ランシュ・バージュ」。シャトーの北側を「シャトー・ムートン・ロートシルト」と「シャトー・ラフィット・ロートシルト」に挟まれ、南側には「シャトー・ピション・ラランド」と「シャトー・ピション・バロン」、「シャトー・ラトゥール」が隣接するという抜群のロケーションを誇っています。現オーナーの“カーズ・ファミリー”は1939年にシャトーの経営を引き継いで以降、4代に渡りシャトーを管理しています。
「シャトー・ランシュ・バージュ」の畑には少量ではありますが、 古くから白ブドウが植えられていました。あくまでもプライベート用白ワインのために栽培していたものでしたが、いつしか周囲から大絶賛を受けるようになり、1990年からリリースされることになりました。歴史ある「シャトー・ランシュ・バージュ」の8つの区画の数区画に植えられたソーヴィニヨン・ブラン種、セミヨン種、ミュスカデル種の3種類をブレンド。高い新樽比率で仕上げられていますが、決して樽のフレーバーが突出し過ぎていることはなく、極めてバランスが良い印象。ワイン評論家のロバート・パーカー氏は「最高の白ワインを彷彿させるレベルの品質だ」と、1990年の初ヴィンテージから大絶賛しています。赤ワインの「シャトー・ランシュ・バージュ」同様、ワインのスタイルは若い時は元気いっぱい、開放的、率直、明快なスタイル。「貧者のムートン・ロートシルト」とも評される「シャトー・ランシュ・バージュ」の実力がこの「ブラン・ド・ランシュ・バージュ」でも十分に発揮されています。
2018年は冬から春にかけて大量の雨が降りましたが、夏は猛暑によるブドウの糖度の上昇とタンニンの凝縮が促され、夜間の冷え込みによって複雑なアロマが生み出されたようです。また、収穫時には好天に恵まれ、健全なブドウの収穫に成功した模様です。ブレンド比率は、ソーヴィニヨン・ブラン種40%、セミヨン種40%、ミュスカデル種20%、外観は輝きのあるレモンイエローの色合い。グラスからは、ソテーした白桃、パッションフルーツ、グーズベリーに加え、スイカズラ、コリアンダーのニュアンスが感じ取れます。トロピカルとシトラスのフレーバーで溢れ、しっかりとした果実感とまろやかな酸は飲みごたえ十分、チョーキーで長いフィニッシュへと続きます。是非、床席の美食のお集りの際には、ご指名下さいませ!!。

(2022.9.01[THU])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★8月のお勧めボトルワイン

PALETTE '13 (Chateau Simone) ¥ 14,000
パレット (シャトー シモーヌ)

「エクサンプロヴァンス」からちょうど4㎞に位置する「メイルイユ」に、1830年から“ルジエ”家が所有するシャトー。
遠い昔からブドウ栽培が行われていたことはいくつもの古い文献から読み取れ、「シャトー・シモーヌ」は、「プロヴァンス」のテロワールの素晴らしい一例として歴史に刻まれています。
“セザンヌ”が描いた「サント・ヴィクトワール」山を背景に、2本のセイヨウイチョウの樹の間から見える壮麗なシャトーの姿、「マルセイユ」の有名な彫刻家による噴水がある庭なども一見の価値があるようです。
“ジャン・ルジエ”は、“ルジエ”一族の4代目の代表としてAOC認定に際してリーダー的な役割を果たした人物で、ちょうどその先代がフィロキセラ禍の後ブドウ畑を再編成しなければならない時代のことだったようです。
“ジャン”はその畑が卓越した特性を備えていると確信して、最大限に主張、そして1948年4月28日に「パレット」AOCの認可がおりたのです。
「シャトー・シモーヌ」の地下セラーは、16世紀に宗教的な目的で掘られたのが始まりで、その後“ルジエ”家によって拡張されました。自然のままで温度と湿度が年間通して一定に保たれており、今では様々な大きさの樽が貯蔵されています。
21haの畑は「モンテギュー」山塊の北向き斜面に、ボウルのような形の自然な窪みにあり、風から守られ、「アルク」川が流れるという、特別なミクロクリマが演出されています。近隣の森により多様性が備わる立地にあり、適度な湿度が川と周りの緑から得られるようです。土壌は第三紀系で、湖で構成された石灰質の小石に、粘土、丸石、砂利が交じり合っています。ブドウはフィロキセラの後に再構成されたまま枯死したもののみ再植しているため、平均樹齢は非常に高く50年以上で、110年以上のものも残っています。株仕立てと垣根仕立てを併用し、化学的な肥料や除草剤は一切使用していません。手摘みされたブドウは、2度手作業で選果され、とてもクラシックな伝統的な方法で、自然酵母により発酵されます。
「パレット」AOCは、赤、白、ロゼの生産が認められておりますが、今回のおすすめは、夏をイメージし白ワインをご用意いたしました。ブレンド比率は、クレーレット種80%、グルナッシュ・ブラン種10%、ユニ・ブラン種6%、ブールブーラン種2%、ミュスカ・ブラン種2%。色調は深みのある黄金色。ピーチのコンポート、干したアプリコット、マルメロなどの果実に、アニスシードやフェンネル、炒ったアーモンドやスモーキーなニュアンスも。とても複雑なフレーバー。口中ではねっとりした粘着性があり、ボリューム感も大きいですが、フレッシュさは微塵も失われていません。間違いなく、南仏の偉大な白ワインのひとつです。
是非、床席の美食のお集りの際には、ご指名下さいませ!!。

[2022.8.01[MON])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★7月のお勧めボトルワイン

CHASSAGNE MONTRACHET. La Maltroie '16 (Vincent et Sophie Morey) ¥ 17,000
シャサーニュ モンラッシェ ラ マルトロワ (ヴァンサン エ ソフィー モレ)

「シャサーニュ・モンラッシェ」村の銘醸家として、その名を知られた“ベルナール・モレ”も引退、2006年を最後のヴィンテージとし、所有畑はふたりの息子、“ヴァンサン”とト“マ”に分け与えられました。その長男“ヴァンサン”が、「サントネ」村出身の妻“ソフィー”とともに運営するドメーヌが、「ヴァンサン・エ・ソフィー・モレ」でございます。
ブドウ畑は双方の実家から継承し、総面積は20haとかなりの規模。全量元詰めとはせず、一部はネゴシアンに桶売りしています。
白は「シャサーニュ・モンラッシェ」中心、赤は「サントネ」中心のラインナップとなり、ドメーヌの至宝であります特級畑「バタール・モンラッシェ」や「ピュリニー・モンラッシェ」村1級畑「トリュフィエール」も所有(弟の“トマ”ときれいに等分したため、それぞれ0.1ha、0.25haと小さくなりました)。「サントーバン」村1級畑シャルモワ(白)、「マランジュ」村1級畑「フュシエール」(赤)にも畑を所有しております。ちなみに「シャサーニュ・モンラッシェ」村の1級畑「アンブラゼ」はもともと“モレ”家が大地主なうえ、“ソフィー”の実家である“メナジェ・ベラン”家も畑を有するため、このクリマの総面積5.19haのうち、4分の3に相当する3.79haを“ヴァンサン”と“ソフィー”が耕作していることになります。
面白いのは「バタール・モンラッシェ」で前述のように弟の“トマ”と畑を等分したのですが、“ヴァンサン”は斜面下部、“トマ”は斜面上部を取得しております。畑の上下で差が生じないよう、ブドウの圧搾は一緒に行い、果汁を半分ずつ分けて各自別々に醸造しているようです。特に「ブルゴーニュ」は相続で仲違いすることもよく耳にする中で兄弟仲がよい証ではないでしょうか。
醸造法は父“ベルナール”譲りで、圧搾後の果汁をデブルバージュの後、小樽発酵されます。新樽率は40%前後と比較的高い値ですが、それに対して熟成期間は10ヶ月と短めです、2週間に一度バトナージュを行います。
色調は黄金色に近く、透明感もあります。蜂蜜、焼きリンゴの甘酸っぱい香りをベースに、シナモンやアーモンドのリッチで優雅な芳香。徐々に柔らかみが増してきており、オイリーな風味と、しっかりとしたミネラル、非常にパワフルな味わいです。余韻にはレモンピールのようなほろ苦さや火打石のニュアンスが表れ、最後まで楽しませてくれるワインに仕上がっております。
是非、床席の美食のお集りの際には、ご指名下さいませ!!。

(2022.7.01[FRI])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★6月のお勧めボトルワイン

PULIGNY MONTRACHET.Les Chalumeaux '16 (Ch de Puligny-Montrachet) ¥ 23,000
ピュリニー モンラッシェ レ シャリュモー (シャトー ド ピュリニー モンラッシェ)

「シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ」は17世紀に建てられた城館であり、“ナポレオン”帝政期には当時「ボーヌ」市長であった“ジャン・バティスト・デスドゥアール”が所有し、城館を修復。1950年代からブドウ栽培家であり詩人でもあった“ロラン・テヴナン”によって、シャトーのワインは名声を誇ったようです。
その後、「シャブリ」の「ドメーヌ・ラロッシュ」の手に渡り、さらに金融機関の所有となって、2002年にシャトーの支配人として抜擢されたのが、「ヴォルネイ」の「ドメーヌ・ド・モンティーユ」の長男、“エティエンヌ・ド・モンティーユ”です。
“エティエンヌ”はブドウ畑をビオロジック、そしてビオディナミに転換し、ワインの質を劇的に向上させ、傾きかけていたシャトーの名声を復活させました。そして2012年にとうとう、“ド・モンティーユ”家がオーナーの金融機関からこの由緒正しきシャトーを購入することに成功したのです。
シャトーは22ha、21のアペラシオンを所有しますが、このうち特級「モンラッシェ」と「バタール・モンラッシェ」は「ドメーヌ・ドゥジェニー」の“フランソワ・ピノー”に転売されることに、それ以外の上位レンジにあります、特級「シュヴァリエ・モンラッシェ」、「ムルソー1級ペリエール」、「ポマール・レ・クラ」、「ポマール1級ペズロール」は「ドメーヌ・ド・モンティーユ」として生産する一方、下位アペラシオンはド・モンティーユのネゴスものとしてリリース。中間帯のアイテムを「シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ」として残す事になっていますが、とうとう、2016ヴィンテージをもって、「シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェ」としての生産を終了。2017年からは、「ド・モンティーユ」のラベルで造られています。
今回ご紹介の「ピュリニー・モンラッシェ・レ・シャリュモー2016年」は、ほぼ「シュヴァリエ・モンラッシェ」と同じ高さに位置し、「ムルソー」村寄りの1級畑です。きわめてミネラリーなスタイルの「ピュリニー・モンラッシェ」であり、白い花やミネラルのフレーバーが強く出ています。酸のキレもよく、タイトなボディ。その一方、果実味も十分に備え、バランスのとれた白ワインに仕上がっています。アフターにもミネラルが感じられ、その余韻は非常に長い・・・是非、初夏の美食のお集まりにご指名くださいませ!!!。

(2022.6.01[WED])

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