「 今月のおすすめワイン 」

★12月のお勧めボトルワイン
EGLY OURIET BRUT GRAND CRU \ 16,000
エグリ ウーリエ ブリュット グラン クリュ
ピノ・ノワール種の聖地「アンボネイ」村に居を構える「エグリ・ウーリエ」は、「アンボネィ」7.8ha、「ヴェルズネィ」、「ブージー」、「ヴリニー」の畑を合計11.5ha所有しています。1930年創業の無名ドメーヌが転換期を迎えたのは1990年、“フランシス・エグリ”氏が4代目当主に就任してからです。就任後すぐに、無農薬に近いアプローチへと栽培方法を変更。有機肥料を用いて手作業ですべての畑の手入れを行い、葡萄の成長の手助けをします。実にきめ細かく管理された畑から収穫された完熟した葡萄は、僅か3〜4.5g/lのドザージュしか必要としないとか。また、1996年より実験的に始めた新樽発酵は今やドメーヌを代表する醸造方法となりました。「ブルゴーニュ」の造り手、「ドミニク・ローラン」から手ほどきを受けた樽使いは、正に「ワイン造り」を目指したものです。カーヴで試行錯誤を繰り返し、優れた特級村のみが持つミネラル、美しい酸、凝縮した果実味と厚みのあるボディがバランスしたシャンパーニュ、すなわち味わいの全ての要素が各々強さを持ちながらも主張しすぎることのない「アンボネイ」のテロワールを最大限に引き出す自身のスタイルを見つけ出したのです。
2008年「クリュッグ」と「ボランジェ」の2メゾンに加え、「サロン」とともにRM(レコルタン・マニュピュラン)唯一の造り手として「クラスマン」(現レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス)三ツ星に昇格した「エグリ・ウーリエ」、それはあの「ジャック・セロス」よりも早い昇格でした。(2009年RM2番目の造り手として、「ジャック・セロス」が三ッ星に)「スティル・ワイン」で照らし合わせますと「ボルドー」では、「5大シャトー」や、「オーゾンヌ」、「シュヴァル・ブラン」など、そして、「ブルゴーニュ」では、「ルフレーヴ」や「アルマン・ルソー」、「ルロワ」、「コシュ・デュリ」など錚々たる面々でございますので、その快挙の大きさがうかがえます。
2016年の時点で、約5,200社存在する「シャンパーニュ」の全生産者の中で3つ星の栄光を手にするのは僅か9社。「エグリ・ウーリエ」、「ボランジェ」、「クリュッグ」、「ジャクソン」、「ジャック・セロス」、「ポールロジェ」、「アグラパール」、「ルイ・ロデレール」、「サロン」です。約4800社ものRM生産者のうち、三ッ星に輝くのは「エグリ・ウーリエ」、「ジャック・セロス」、「アグラパール」だけなのです。
ピノ・ノワール種75%、シャルドネ種25%。理想的な緩やかな南向き斜面に植えられた平均樹齢40年の古樹のピノ・ノワール種は、「ガティノワ」や「ボランジェ」といった同じく最高峰のピノ・ノワール種が産出されることで有名な「アイ」村より早くヴェレゾン(色づき)します。その凝縮した果実味を持つピノ・ノワール種に、東向き斜面のシャルドネ種をアッサンブラージュすることによって、美しい酸を持つ非常にバランスのとれたシャンパーニュが生まれます。
かすかなサーモンピンクをまとった黄金色、グラスに注ぐだけで華やかで濃密な香りが立ちこみ、甘い果実香と美しい酸のニュアンス。口に含みますと、黒糖のような濃密さを感じながら、決して重厚過ぎにはならないような溌剌とした酸が存在、優れた特級村のみが持つクリーミーなミネラルも感じられます。誰しもに愛される、一つ高みの「シャンパーニュ」でございます。
聖し12月の夜は、大事な方と是非、お楽しみくださいませ!!!。
(2016.12.01[THU])