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メゾンドヴァン鶉亭

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「 今月のおすすめワイン 」

バタイエ

★11月のお勧めボトルワイン

CHATEAU HAUT BATAILLEY '89 25,000
シャトー オー バタイエ

「シャトー・オー・バタイエ」は、「ポイヤック」に位置する格付け5級シャトーです。1930年代に“ボリー”家が購入、1942年には“マルセル”と“フランシス”の兄弟の間で分割され、それぞれが「シャトー・バタイエ」と「シャトー・オー・バタイエ」となりました。どちらもメドックのグラン・クリュ・クラッセに格付けされています。
後に“フランシス”の娘“フランソワズ”が跡を継ぎ、兄の“ジャン・ユージェン”が経営を行うようになり、数年後には息子の“フランソワ・ザヴィエル”に経営が委ねられるようになりました。
1974年までは、ここのワイン作りは「シャトー・デュクリュ・ボーカイユ」で行っていましたが、隣接した醸造所を現代的に改良し、ここで行うようになり、1985年、熟成庫と瓶詰め施設を増設。ますます設備は最新鋭となり、より一層の品質向上に向かいました。
また、ここのブドウ畑は、「ポイヤック」村と「サンジュリアン」村の境目にあるため、やや特徴的です。「ポイヤック」のワインでありながら、女性的な「サンジュリアン」の影響を受けているため、魅力的な気品と繊細さがあるのです。いわゆる「ポイヤック」らしいワインとは異なりますが、柔らかな飲みやすさがあります。そのため、「シャトー・オー・バタイエ」と「シャトー・バタイエ」はスタイルが著しく対照的で、前者は、重みの点でこそ劣りますが、真の優雅さをそなえたワインを造っています。「シャトー・オー・バタイエ」と「シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト」(こちらも所有者は“ボリー”家です)を比べた場合も、同じような対照に気づくはずです。「シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト」と「シャトー・バタイエ」には、強烈に、むしろ激しいといえるほどに、「ポイヤック」の個性が出ています。「シャトー・オー・バタイエ」は安定している上に、見事なバランスと果実味と早熟のタンニンのおかげで、比較的若いうちから飲むことも可能ですし、その上、魅力的に年をとることもできるのです。
エッジに少しオレンジがかった濃いガーネット色。深みがあり、粘性は中程度より高め。香りにはカシスやブラックベリー、ドライハーブ、ブラックペッパー、スモーキーなオークが混じり合います。加えてキャラメルやバニラなどのほのかに甘いニュアンス、杉、タバコ、皮革、土っぽさがさらなる複雑性を与えます。アタックはソフトでなめらか。完熟感のある濃厚な果実味で、黒系果実にトースト、スパイスの風味が混ざり合い、熟したタンニンが果実味に層状の厚みをもたらしています。「ポイヤック」の中では比較的軽やかな印象を持つシャトーですが、さすが優良年の恩恵でしょう、大地のような温かさやどっしりとした安定感がございます。
季節的にも、古酒の熟成感をゆっくりと楽しみたいものです、秋の夜長に是非、ご堪能下さいませ!!。


(2016.11.01[TUE])

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