「 今月のおすすめワイン 」

★9月のお勧めボトルワイン
CHATEAU MONTROSE '95 \32,000 (\36,960)
シャトー モンローズ
1778年、“エチエンヌ・テオドール・デュムラン”は、「サンテステフ」村のジロンド河の河口に面した未開発の土地を購入しました。その息子(父親と同名)の代に、砂利質の土壌にブドウ栽培の適正を見出し、ブドウ栽培を開始し、貯蔵庫などが建てられた後、1825年にはクラシックなスタイルと“ナポレオン1世”時代の様式を調和した飾り気のない邸宅が建てられました。1866年、シャトーの所有者は“デュムラン”家から“マチュー・ドルヒュス”へと移ります。新しい所有者の元、20年に渡るシャトーの大改修が行われました。建物は著しく大きくなり、老朽化した貯蔵庫も改築、ほぼ現在の様相を呈することとなり、この頃のシャトーの敷地は、購入や隣人との土地交換によって、すでに現在と同じ面積(68.5ha)に達していました。彼の死後の1887年、「モンローズ」は「シャトー・コス・デストゥルネル」や「シャトー・ポミー」の所有者である“ジャン・オスタン”のものと。1896年、彼の娘の夫“ルイ・シャルモリュー”へと行われ、現在も用いられている家紋がラベルに使用されるようになりました。近年2006年4月、大手建設会社で、通信・メディアにも進出している「ブイーググループ」オーナーの“ブイーグ”兄弟が「モンローズ」を買収し、シャトーの新たな歴史が始まりました。因みにその金額は推定「1億4千万ユーロ(約200億円)」だとか・・・。
この「モンローズ」という名前は、フランス語で“山”を意味する「mont」と、“薔薇”を意味する「rose」が組み合わさったもの。古くは、この地には沢山のヒースが植えられていて、開花時期になると一面が薔薇色に染まったため、この名前が付けられたのだそうです。
「モンローズ」のブドウ畑は、さすがに山というまでのものではありませんが、ジロンド川に向かって大きく傾斜しているのが見て取れます。「メドック」の畑としては傾斜角度がきつめで、排水がよくなっています。また、畑から眼下にジロンド川が見渡せるような場所であるため、その影響で春先の霜の害を受けにくいなどの利点があり、好立地だといえるでしょう。このような場所に、「モンローズ」は合計「68.5ha」のブドウ畑を所有しており、カベルネ・ソーヴィニヨン種が65%、メルロー種が30%、カベルネ・フラン種が4%、プティ・ヴェルド種が1%という比率で植えられています。ここの土壌は、表土が黒い砂が混じった砂利質(表面から約1~2mほど)で、その下側には石灰を多く含む粘土の層があります。
この粘土層があることで、「サンテステフ」村のシャトーの一部は、他の地区とは違った評価を受ける年があります。カベルネ・ソーヴィニヨン種よりメルロー種が成功したヴィンテージ、つまり「メドック」地区よりも「サンテミリオン」地区のワインの方が高い評価を受けるようなヴィンテージであっても、この粘土層のため、「サンテステフ」村のいくつかのシャトーは高く評価されることがあります。「モンローズ」もこれに該当するシャトーの一つなのです。
1995年ヴィンテージの総評ですが、記録を打ち立てた1986年には一歩及びませんが巨大な収穫、間引きやより一層の選別のため、1990年から2000年までで最も安定、主要なアペラシオンで濃厚でタニック、特にメルロー種成功が顕著で、次いでカベルネ・ソーヴィニヨン種、カベルネ・フラン種も相当な重みや、タンニンのものが作られたようですが、最上なワインのほとんどは古典的なヴァン・ド・ガルドで相当な瓶熟が必要、最低でも2008年から2012年より前に飲み頃が来ることは少ないと言われてきました。1995年のヴィンテージを作ったのは過去40年で最も乾燥して暑かった月と言える6、7、8月です。これに先立つ1994年、1993年、1992年、1991年と同じく、この年の「ボルドー」の人々も9月の第一週を天候の悪化なしにやり過ごすことはできませんでした。もっとも、1993年や1994年と違って、にわか雨の降る天候が続いたのは9月7日から19日までで済みました。収穫を9月下旬まで遅らせたシャトーのほとんどが良い結果をもたらしたようです。
腐葉土や甘草、よく熟した果実香を振りまき、舌触りは滑らかでありながら驚く程に強靭なボディは素晴らしいの一言です、「モンローズ」は1995年ヴィンテージ、カベルネ・ソーヴィニヨン種を減らし、メルロー種の比率を増やしたと言われており、まさに、うまくヴィンテージの個性に対応できた傑作です、是非お楽しみ下さいませ!!!。
(2013.9.02[MON])