「 今月のおすすめワイン 」

★8月のお勧めボトルワイン
MEURSAULT.Les Tessons (Pierre Morey) '05 \17,000 (\19,635)
ムルソー レ テソン (ピエール モレ)
“ピエール・モレ”は「ムルソー」村の造り手ですがが、一族が「ムルソー」村に移ってきたのはフランス革命まっただ中の1793年のこと。“モレ”と名のつく他のドメ ーヌ同様、もともとは「シャサーニュ・モンラッシェ」村の出身だといいます。
“ピエール”の父、“オーギュスト”は1935年に「ドメーヌ・デ・コント・ラフォン」のメタイエ(収穫の一部を受け取る小作人)のひとりとなり、1971年から “ピエール”がそれを引き継ぐようになりました。
「コント・ラフォン」は「ムルソー」村の1級畑や特級「モンラッシェ」など素晴らしい畑をもっていましたが、オーナーはつねに他の仕事をもち、畑作業は小作人に任せていたとか・・・。ところが“ドミニク・ラフォン”が“ラフォン”家で初めての栽培醸造家になると、折半耕作の契約期間を延長せず、“ラフォン”家のすべての畑を自ら耕作するようになり。
1986年から1991年にかけて“ピエール・モレ”は多くの畑を失ってしまったようです。
しかしながら、“ピエール・モレ”の手腕に感銘を受けていた、「ピュリニー・モンラッシェ」村の大ドメーヌである「ルフレーヴ」は、引退が決まっているそれまでの醸造長の“ジャン・ヴィロ”に代わって、ピエールを招聘。こうして彼は、1988年以降、「ルフレーヴ」の醸造長として働く一方、自身の小さなドメーヌを運営し、さらに1992年にはネゴス・ブランドとして「モレ・ブラン」を設立しました。「ルフレーヴ」の醸造長に就いてから20年後の2008年、「ドメーヌ・ピエール・モレ」と「モレ・ブラン」の仕事に集中するため「ルフレーヴ」から離れ、娘の“アンヌ”を共同経営者に迎えて、父娘で11haの畑を耕作。同時に「モレ・ブラン」を経営しています。「ルフレーヴ」がそうであるように、「ドメーヌ・ピエール・モレ」でも1991年から畑をビオロジックやビオディナミで栽培し、1997年にはすべての畑を ビオディナミ農法に転換しました。
アペラシオンはドメーヌもネゴスも「ムルソー」を中心に「コート・ド・ボーヌ」と白と赤に集中しています。
ドメーヌ所有の特級畑は「バタール・モンラッシェ」のみですがが、ネゴスのほうには「モンラッシェ」に「コルトン・シャルルマーニュ」、赤の「コルトン」も扱っています。
今回、ご紹介の「ムルソー・レ・テソン」は村名格でありながら、一級畑「シュヴァリエ」に隣接する好立地、抜栓するや否や、芳醇な香りが広がります、色調は輝くようなグリーンイエロー、微かなヨード香、バターやパン酵母の風味、味わいには重量感と肉付きの良さが感じられ、村名格のポテンシャルを遥かに凌駕する。「コント・ラフォン」や「コシュ・デュリー」と並ぶ、偉大なムルソーの造り手が「ピエール・モレ」なのです。是非、その力量をお楽しみ下さいませ!!。