「 今月のおすすめワイン 」

気の合った仲間達や、特別な人と過ごす「秋の夜長」に相応しいワインは、やはり“ブルゴーニュ”・・・それも、出来れば少しでも熟成した「銘醸物」・・・先日、東京のエージェントさんのおすすめで「'93」のワインを少量、購入しました・・・「深まりゆく秋の気配」にも似た「せつない」気分にさせてくれます・・・。
いつものように「ソムリエ・森下」のコメントで、お楽しみ下さい・・・。
★11月のお勧めボトルワイン
NUITS ST-GEORGES.Les Saint Georges (Denis Mugneret) '93 \15,000 (\17,325)
ニュイ サン ジョルジュ レ サン ジョルジュ (ドゥニ ミュニュレ)
ドメーヌの本拠を「ヴォーヌ・ロマネ」村に持ち、その位置は、あの「ロマネ・コンティ」の畑からわずか数百mというところのようです。ドメーヌの興りは1960年“ドゥニ・ミュニュレ”がドメーヌを創業したところから始まります。2003年 ドゥニが引退し、同時に「ティボー・リジェ・ベレール」との折半耕作であった「リシュブール」も契約が切れました。経営は息子の“ドミニク”へ引き継がれ、エチケットも「ドゥニ・ミュニュレ」から「ドミニク.ミュニュレ」となりました。(「クリスチャン・エ ドミニク・ミュニュレ」のエチケットも存在します。)
栽培は、除草剤は使用しています。殺虫剤の代わりに性撹乱カプセルを使用。手作業での収穫を行い、畑と選果台での選果を実施しています。11000本/haの密植で、収量は平均で35-40hl/ha程とのこと。醸造では除梗は100%行い、開放式の伝統的な醗酵槽で、破砕はせずに13℃で6日間の低温浸漬を行います。野生酵母で最高温度の33℃は24時間程保ちます。ピジャージュは1日2ー3回、6ー8日間行われます。ルモンタージュを主体にピジャージュはやさしく上から40cm程しか押し下げないが、色を出すために最後に底まで押しさげます。熟成ミディアム〜ハイトーストの樽で、村名は25%、プルミエクリュで50%、グランクリュで75-100%の新樽を用いて樽熟成を行います。無清澄、無濾過で瓶詰めされます。
いろいろな、ヴィンテージチャートでは評価の高い1993年ヴィンテージですが、実際はつくり手泣かせの難しい年のようでした。雹や嵐、雨に襲われたが、反面7月半ばから8月の終わりまで日照も良く、暖かかったようです。開花は早くきちんと行われました。9月の始めには果実の実りも良く、非常に期待が高かったが、収穫時期に降った断続的な雨は摘果のタイミングに細心の注意を必要としました。常にそうなのですが、収穫の抑制と選果を厳しく行い、注意深く優れた技術でワイン造りをした生産者は最上の赤ワインをつくったと言われています。
「レ・サン・ジョルジュ」といえば、グランクリュの存在しない「ニュイ・サン・ジョルジュ」村で同等のポテンシャルを持つ筆頭のプルミエクリュで最も長命なワインと言われています。濃厚、濃密な味わいと同時に見事な精妙さを併せ持ちます。若いうちは、やさしくピュアな果実香に、透明感のある果実味にしっかりとしたタンニン、綺麗な酸の広がりがあり、余韻は樽香や軽やかな果実のフレーヴァー、ミネラル感・・・というイメージですが、18年の熟成でどのような変化したのかとても楽しみです。
「ニュイ・サン・ジョルジュ」村の最上の畑の良好なヴィンテージといえば、なんともコストパフォーマンスの高い一本だと思います!!、是非ともお見逃しなく!!!。
(2011.11.1[MON])