
「今月のおすすめワイン」も、先月に引き続き“煌びやか”な「プレステージ・シャンパン」の登場です・・・“フィリポナ社”の最上格キュベ「クロ デ ゴワセ」・・・「尾田有美さんのブルゴーニュ便り」の「第34弾」にも、現地レポートの報告記事がありますので、いつもの「ソムリエ・森下」の解説と共にお楽しみ下さい・・・。
★1月のお勧めボトルワイン
PHILIPPONNAT CLOS DES GOISSES '99 \30,000 (\34,650)
フィリポナ クロ デ ゴワセ
伝統ある製法を16代にわたり一貫して守り続けるシャンパンの名門、「フィリポナ」社。その名をさらに世界に広めたのは、1935年、「クロ・デ・ゴワセ」のブドウ畑を独占所有したからです。数あるシャンパンの中で畑名を名乗ることを許された、たった二つのシャンパン、その一つが「クロ・デ・ゴワセ」です。(もう一つは、これまた超名門の「クリュグ」の「クロ・デュ・メニル」です。)
「フィリポナ」社のシャンパンの魅力は、「デリケートで力強い芳醇な味わい」です。シャルドネ種100%の「ブラン・ド・ブラン」と「シュブリム」以外は、ピノ・ノワール種のブレンド比率が高く、それによりボディのしっかりした、上品でリッチな味わいに仕上げています。樽内発酵後7~10年澱の上で寝かせたワインをベースに、木樽で約80%マロラクティック発酵を行い、残り20%をステンレス発酵させたワインをブレンドします。(「クロ・デ・ゴワセ」に関しては、完熟状態で収穫されたブドウは酸が少ないので、マロラクティック発酵は行いません。)ドサージュ時は、ブドウ本来の新鮮さや純粋な味わいが引き立つように極力糖度を抑えています。レゼルヴには、毎年「クロ・デ・ゴワセ」の畑で収穫されたワインが少量加えられ、安定した上質のスタイルとなります。
長い間セラーで熟成されたシャンパンは、出荷前にデゴルジュマン(澱引き)を行います。澱引きまでの間、瓶内二次発酵をしながらシャンパンと澱が触れ合うことにより、シャンパンはより円熟な味わいをもたらします。デゴルジュマンの年月をボトルに明記することは、その品質の高さを保障する証となり、「このシャンパンは最良のタイミングで二次熟成を止めた」ということを意味します。 デゴルジュマンの年月をボトルに明記するきっかけは、1980年にイタリア向けのシャンパンに始まり、現在では全世界に輸出するボトルに明記されています。
「フィリポナ」社は、合計17haの素晴らしい自社畑を所有することでも有名です。その畑はいずれもプルミエ・クリュ(マルユイユ・シュール・アイ99%クリュ、ムティニィ93%クリュ、アヴネイ93%クリュ)と、グラン・クリュ(アイ)に位置し、格付平均98%という驚くべき質の高さです。(シャンパンの格付は村(クリュ)別100%方式。一番良い村を100%のグラン・クリュとし、99~90%までがプルミエ・クリュ(1級)となります。)「フィリポナ」社の自社畑では、ピノ・ノワール種86%、シャルドネ種14%が植えられていて、自社必要量の35%を賄っています。残りの65%は、「ヴァレ・ド・ラ・マルヌ」の信頼のおける契約栽培者から高品質のピノ・ムニエ種を買い付けています。
ブレンド比率はシャルドネ種30%、ピノ・ノワール種70%となっております。グラスに注ぎますと色調はすばらしく濃厚な金色で繊細で非常にエレガントな泡立ちをしております。カラメルやトースト、コーヒーなどの香ばしさが力強く広がり一際存在感を示します。スパイシーでコクの深い味わいで、時間とともに黒系果実やヘーゼルナッツ、焼きリンゴやシナモンのような味わいが加わり、その長い余韻には驚愕の一言です。
シャンパンの中の「ロマネ・コンティ」と称されるほど、高い評価の希少な逸品で、5.5haの独占所有畑で年産わずか15000本~20000本・・・。2011年の新たなスタートをきる乾杯には申し分のない逸品でございます。是非ご指名下さいませ!!!。
(2011.1.3[MON])