
今だ「猛暑日」が続く今日この頃ですが、夕暮れ時にそこはかと秋風を感じる季節に「ブルゴーニュ・赤ワイン」のおすすめです・・・写真には「表ラベル」と「裏ラベル」が並んでいて、家紋のレリーフ側のきれいなデザインのラベルは、必要情報が記載されていない「裏ラベル」で、左側のシンプルなラベルが正式なものとなります・・・神様“アンリ・ジャイエ”氏を唸らせた“シャルロパン・パリゾ”氏の村名「ジュヴレィ・シャンベルタン」・・・「ソムリエ・森下」のご案内で、名匠の真価をお確かめ下さい・・・。
★9月のお勧めボトルワイン
GEVREY CHAMBERTIN.V-V (Charlopin Parizot) '05 \14,000 (\16,170)
ジュヴレィ シャンベルタン (シャルロパン パリゾ)
1956年生まれの“フィリップ・シャルロパン”は、22歳のときに父“アンドレ”から2ha弱の畑とドメーヌを引き継ぎワイン造りを始めました。「マルサネ」、「フィサン」、「ジュヴレ・シャンベルタン」、「モレ・サン・ドニ」、「シャンボル・ミュジニー」、「ヴォーヌ・ロマネ」に17haの畑を持ち「シャンベルタン」「ボンヌ・マール」「エシェゾー」などなんと8つ(“ジョスリーン・バロン”から借りている畑「シャンベルタン」を含む)のグランクリュを醸造しています。
テロワールの型にはまらない、凝縮感がある筋肉質なワインを生産してきましたが、1997年以降からはよりエレガントなスタイルへシフトしてきています。また、“フィリップ ・シャルロパン”はピノ・ノワール種の神様と呼ばれる“アンリ・ジャイエ”から指導を受けていた一人で、“ジャイエ”から愛弟子として可愛がられていたと言われています。当初、ワイン造りの途中で“アンリ・ジャイエ”のアドバイスを常に聞きながらワインを造っていましたが、いつしかアドバイスを聞かずに出来上がったワインをただ持っていくようになり、そのワインを飲んだ“アンリ・ジャイエ”に「まさに私が言いたかったように、そのとおりに造っているな」と言わせてしまうほどの実力をつけるようになりました。そのため、ワイン造りにおいては師である“ジャイエ”の影響が色濃く見られます。
“フィリップ・シャルロパン”のモットーはあくまでも自然なワイン造りです。葡萄の栽培には除草剤と化学肥料は使用せず、殺虫剤代りにフェロモンカプセル(蛾がの幼虫対策として、蛾の雌のフェロモンと同じ香りを利用して雄の生殖活動を混乱させ、産卵を防ぐ方法)を用いるリュット・レ ゾネ(減農薬農法)を採用。葡萄の樹齢は概ね高く、「エシェゾー」にいたっては樹齢70年にも及びます。完熟葡萄の収穫はもちろんのこと、厳しく選別した果実は除梗した後、一週間に及ぶ低温のマセラシオン発酵が行われます。培養酵母の使用と補酸は決して行わず、その後は瓶詰め直前まで澱引きせずに樽熟成されますが、新樽比率が高いこともその特徴として挙げられます。
透明感があり、やや黒みの強い色調。ロースト香、複雑なスパイス、強い果実感、味わいは滑らかですが、飲み進めていくとたくましさ、力強さがましていき、まさに洗練された奥行きのある味わいにレベルの高さは歴然としています。果実味とアロマに溢れ、精妙なフィネスを備えた確固たる“シャルロパン”のスタイルは「ブルゴーニュ」の最高峰の1つといえるでしょう。
トップドメーヌがつくる「ジュヴレィ・シャンベルタン」そのうえ、ヴィンテージは近年最傑作の2005年といえば、ご指名は必至です。是非、お見逃しなく、この機会にお楽しみくださいませ!!。
(2010.9.1[WED])