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メゾンドヴァン鶉亭

Author:メゾンドヴァン鶉亭
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「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★今月のおすすめワイン★

Nuits-Saint-Georges Au Bas de Combe ’19 ( J.CACHEUX et Fils ) ¥ 18,000
ニュイ サン ジョルジュ オー バ ド コンブ ( ジャック カシュー エ フィス )

ジャック・カシューの名前が挙がると真っ先に思い浮かぶクリマは、ヴォーヌ・ロマネ1級のラ・クロワ・ラモーでしょう。ロマネ・サン・ヴィヴァンに隣接する0.6ヘクタールのこのクリマはカシュー家のモノポールというわけではなく、ほかにも2軒のドメーヌが所有しますが、カシューを代表するクリマとしてよく知られています。
もともとサン・ヴィヴァン修道院の畑として、今日のロマネ・サン・ヴィヴァンに含まれていた区画であり、80年代半ばにはジャック・カシューが特級昇格をINAOに申請した経緯があります。ラベルに見える十字架(クロワ)はこのクリマの石垣上にあり、ヴォーヌ・ロマネにある5つの十字架のなかでも一番古いものだと言う事です。
94年にジャックは引退し、現在、ドメーヌの当主は息子のパトリスが務めてます。眼鏡をかけた長身の彼は高校教師のような風貌で真面目一徹。クリマの特徴や樹齢など、こと細かに記憶しており、それをわかりやすく説明してくれます。
カシューが所有する畑の面積は合計6.7ha。ほとんどがヴォーヌ・ロマネですが、ニュイ・サン・ジョルジュとシャンボール・ミュジニーにも小さな区画を持ってます。
村名ヴォーヌ・ロマネはクリマごとに醸造し、5つの銘柄に分かれ、それぞれが異なる個性をもっており興味深いものです。ブドウ栽培はリュット・レゾネ。ブドウは完全に除梗し、ステンレスタンクを用いて醸造します。11〜15度の温度で1週間の低温マセレーションの後、自生酵母による自然発酵。その後、17ヶ月の樽熟成を施します。新樽率は村名で3分の1、一級以上は100%と高めですが、パトリスの造るワインは全体に果実の凝縮度が高いため、新樽を受け止めるには十分なポテンシャルを持ち合わせます。
リッチな果実味を主体とするモダンな造りですが、各クリマの特徴を見事に引き出し、バランスはとても良いです。またベーシックなブルゴーニュやブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイでもたっぷりとした味わいがし、高い満足度を得られます。2012年からパトリスの息子、シャルルがドメーヌに参画。これから少しづつブドウ栽培とワイン醸造が父によって叩き込まれていくことでしょう。
今月おすすめの「ニュイ サン ジョルジュ オー バ ド コンブ」は最もヴォーヌ寄りにあり、ヴォーヌ・ロマネ1級レ・ショームに隣接、ニュイ・サン・ジョルジュ1級ブードの下に位置する村名畑。ニュイ・サン・ジョルジュとしては女性的なクリマであり、瑞々しい果実味としなやかな喉越しのワインを生み出します。昨今の「ブルゴーニュ人気」の筆頭ドメーヌで、国内エージェントの在庫はすべて「完売」・・・これから入荷するバックヴィンテージの「’18」と合わせて、何とか「2ケース」を購入できた次第ですが、手放すのが惜しいずっと手元に置いておきたい「銘醸ワイン」です。

(2023.10.01[SUN])



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