「 今月のおすすめワイン 」

★2月のお勧めボトルワイン
CHATEAU BEAUSEJOUR BECOT '83 ¥ 38,000
シャトー ボーセジュール ベコ
「ボルドー」地方の「サンテミリオン」地区はローマ時代からのワイン造りの歴史があり、メルロー種を主体にした銘醸地で、右岸地域で唯一の公式格付けを設けていることでも知られています。「シャトー・シュヴァル・ブラン」や「シャトー・オーゾンヌ」に代表されるように凝縮された果実味としなやかな口当たりを特徴としたワインを産出、「メドック」地区と違い、5,000haの土地に約1,000ものシャトーが密集しています。複雑で変化に富んだ土壌が特徴で、特に優れたワインは、「コート」と呼ばれる「サンテミリオン」の町を囲む石灰岩系の丘陵地帯と、「グラーヴ」と呼ばれる「ポムロル」との境界に近い、石灰質と砂・粘土の斜面の2つの地域から生まれます。「シャトー・ボーセジュール・ベコ」は前者になり「サンテミリオン」村から「シャトー・クロ・フルテ」や「シャトー・カノン」を通り過ぎた所に、「シャトー・ボーセジュール・ベコ」の醸造所はあります。上質なブドウを生み出すことで知られる、「サンテミリオン」の丘のほぼ頂点という素晴らしい場所に位置しており、ブドウ畑はこの丘の周辺に広がっています。
彼らが所有するブドウ畑は16ha。平均収量は37hL/haであり、低収量での栽培にこだわっています。1985年には積極的な買収などのトラブルが理由で、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(第一特別級)からグラン・クリュ・クラッセに格下げとなりましたが、そのことを非常に残念に思い、もう一度かつての名声を取り戻そうと奮起したのが、オーナーの“ドミニク・べコ”氏でした。
彼はブドウ栽培から醸造にいたるまで、一からやり直すことを考え、天才醸造コンサルタントとして知られる“ミッシェル・ロラン”氏にコンサルティングを依頼しました。畑の収穫を制限し、新樽比率をほぼ100%まで引き上げ、より濃縮度の高いワインを造りだしました。そして、ブドウ本来の風味がワインに溶け込むよう清澄も濾過も一切せずにボトリングをするなど、全てを一新した改革を行った結果、1996年の格付けの見直しでは、見事第一級に返り咲きました。
今回ご紹介の「シャトー・ボーセジュール・ベコ1983年」、色調は、縁が相当に琥珀色のガーネット色、エスプレッソ、甘草、カラント、ブラックカラント、チェリー、ブラックベリー、スパイスのような香しさ、酸は非常にこなれ、リッチでフルボディ、しなやかな肉付き、超絶的に純粋で濃厚なエキス分をたのしませてくれます。40年熟成の古酒、ワインだけでも十分に楽しませてくれる逸品でございます、グループ様の語らいの際には、最高です。是非、ご指名下さいませ。
(2023.2.01[WED])