「 今月のおすすめワイン 」

★12月のお勧めボトルワイン
MOREY ST-DENIS.Les Chaffots '15 (Hubert Lignier) ¥ 28,000
モレ サン ドニ レ シャホ (ユベール リニエ)
1880年頃、“ジャック・リニエ”が「モレ・サン・ドニ」村のいくつかの畑を獲得しドメーヌはスタートしました。以降、息子“ジュール”が引き継ぎ、その後“アンリ”と“ユベール”と続き、60年代にはドメーヌは8haに届くまで拡大しました。 1992年には、“ユベール”の次男“ロマン・リニエ”が“ユベール”と共に働くようになり順調な進化を続けてきましたが、 ドメーヌの将来を託された“ロマン・リニエ”が2004年に他界。以降、老匠“ユベール・リニエ”が引退を撤回して奮起し、「ビショ」で働いていたもうひとりの息子“ローラン”もドメーヌに戻り、「ドメーヌ・ユベール・リニエ」の新時代が始まりました
“ロマン”亡き後、“ロマン”の妻とドメーヌの畑を折半耕作し始めたため“ユベール・リニエ”本人は収穫の3分の1しか受け取れず、 買いブドウによるネゴシアン・ビジネスも平行させることで需要に応えるしか手だてがない時代が続きまた。2014年、この折半耕作の契約が解消され、元々のドメーヌの畑が100%戻ってきました。畑の管理もドメーヌで行えるようになり、2014年からは満足のできる生産を再開しています。
かつてはリッチで凝縮感が高く、新樽の香りも強かった“ユベール・リニエ”のワインですが、故“ロマン”がスタイルを微調整し、 バランスのよいものに仕上げてからというもの、昔の“ユベール・リニエ”を支持していたアメリカ市場だけでなく、 世界的に高い評価を受けるようになっていきました。
“ロマン”が他界し、“ユベール”が現場に返り咲いた時もスタイルを過去に戻すことはせず、 バランス重視の姿勢を堅持しているのは、あまりに早くこの世を去った息子へのオマージュでもあるのでしょう。
今回、ご紹介の「モレ・サン・ドニ・レ・シャホ’15」は1968年に植えられたブドウ45a、特級畑「クロ・サン・ドニ」の真上、東南東の斜面の兵陵地帯に位置します。ドメーヌの中でも最も強い色調を誇り、ピュアなキャラクターと成熟したタンニンとのバランスがとれています。名だたる一級畑の中でも、頭一つ抜け出している同区画、益々、期待感が膨らみます。是非、ご指名下さいませ。
(2022.12.01[WED])