「 今月のおすすめワイン 」

★4月のお勧めボトルワイン
CHAMBOLLE MUSIGNY.Les Cras '16 (Antonin Guyon) \17,000
シャンボール ミュジニー レ クラ (アントナン ギヨン)
「サヴィニー・レ・ボーヌ」に本拠を置く「アントナン・ギヨン」は、48haのブドウ畑を耕作する大ドメーヌです。1960年代に先代の“アントナン・ギヨン”が「ジュヴレィ・シャンベルタン」から「ムルソー」にかけて秀逸なクリマを手に入れ、70年代になると、その息子で現当主の“ドミニク”が、「オート・コート・ド・ニュイ」に点在する350もの区画を80軒の農家から買い集めました。
「ブルゴーニュAC」と「オート・コート・ド・ニュイ」のワインは「ドメーヌ・ドミニク・ギヨン」、それ以外のアペラシオンは「ドメーヌ・アントナン・ギヨン」の名がラベルに冠されます。
これだけ広大なブドウ畑をもちながらビオロジック栽培にも熱心で、2015年から正式に移行。2018年にはエコセールの認証を取得しました。
収量はアペラシオンやヴィンテージに応じて28~42hl/haですが、2016年は遅霜の被害が甚大で、「ボーヌ」の生産量はなんとゼロ。お膝元の「サヴィニー・レ・ボーヌ」もわずか1割という状況でした。
ワイン醸造はいたってトラディショナル。畑と醸造所の2回にわたって選果をし、完全除梗のうえ、発酵前に10度の低温浸漬、ピジャージュ、ルモンタージュ、デレスタージュによって抽出を行います。発酵容器は古式ゆかしき木製の開放槽で、熟成用の樽は「フランソワ・フレール」と「ダミー」を中心とし、新樽の比率は平均25%です。赤は18ヶ月間の熟成を施します。白は全房で圧搾後、小樽発酵。週に1回のバトナージュを行い、「コルトン・シャルルマーニュ」の18ヶ月は例外として、他のアペラシオンはだいたい12ヶ月の樽熟成です。白は「ピュリニー・モンラッシェ」の1級「ピュセル」、「ムルソー」の1級「シャルム」、それに特級「コルトン・シャルルマーニュ」。赤は特級に「コルトン・ブレッサンド」、「コルトン・クロ・デュ・ロワ」、そして「シャルム・シャンベルタン」といった銘醸畑をもっています。
評論家受けを狙った大柄なタイプではなく、「アントナン・ギヨン」のワインは繊細にしてエレガント。料理と寄り添う、伝統的なスタイルを貫いています。
今回お勧めのワインとしては「シャンボール・ミュジニー・レ・クラ2016年」をご用意致しました。「シャンボール・ミュジニー」村の畑の中では最も高い位置にあり、東向きの斜面で日当たりが良く石灰岩、粘土質が多い土壌と冷涼な気候が特徴です。樹齢50年。収穫は手摘みで行われ、専用の小さな箱でセラーへ運ばれ選別されます。木製の樽で、ピジャージュと温度管理をしながら20日間の発酵を行います。きれいなルビー色、すみれと赤いベリーのチャーミングな香り。絹のような、エレガントで繊細な質感。柔らかなタンニンで余韻は長いです。一気に春の装いを感じ始めます季節にピッタリのワインではないでしょうか、是非、お楽しみ下さいませ。
(2022.4.01[FRI])