「 今月のおすすめワイン 」

★10月のお勧めボトルワイン
GEVREY CHAMBERTIN.La Justice '15 (Antonin Guyon) ¥ 14,000
ジュヴレィ シャンベルタン ラ ジュスティス (アントナン ギヨン)
「サヴィニー・レ・ボーヌ」村に本拠を置く「アントナン・ギヨン」は、48㏊のブドウ畑を耕作する大ドメーヌです。
1960年代に先代の「アントナン・ギヨン」が「ジュヴレ・シャンベルタン」村から「ムルソー」村にかけて秀逸なクリマを手に入れ、70年代になると、その息子で現当主の“ドミニク”が、「オート・コート・ド・ニュイ」に点在する350もの区画を80軒の農家から買い集めました。
「ブルゴーニュ」ACと「オート・コート・ド・ニュイ」のワインは「ドメーヌ・ドミニク・ギヨン」、それ以外のアペラシオンは「ドメーヌ・アントナン・ギヨン」の名がラベルに冠されています。
これだけ広大なブドウ畑をもちながらビオロジック栽培にも熱心で、2015年から正式に移行。2018年にはエコセールの認証を取得予定というのです。
収量はアペラシオンやヴィンテージに応じて28~42hl/haですが、2016年は遅霜の被害が甚大で、「ボーヌ」村の生産量はなんとゼロ、お膝元の「サヴィニー・レ・ボーヌ」村もわずか1割という状況でした。
ワイン醸造はいたってトラディショナル。畑と醸造所の2回にわたって選果をし、完全除梗のうえ、発酵前に10度の低温浸漬、ピジャージュ、ルモンタージュ、デレスタージュ(ルモンタージュの一種)によって抽出を行う。発酵容器は古式ゆかしき木製の開放槽です。熟成用の樽は「フランソワ・フレール」と「ダミー」を中心とし、新樽の比率は平均25%です。
赤は18ヶ月間の熟成を施し、白は全房で圧搾後、小樽発酵。週に1回のバトナージュを行い、「コルトン・シャルルマーニュ」の18ヶ月は例外として、他のアペラシオンはだいたい12ヶ月の樽熟成を行います。
白は「ピュリニー・モンラッシェ」の1級「ピュセル」、「ムルソー」の1級「シャルム」、それに特級「コルトン・シャルルマーニュ」。赤は特級に「コルトン・ブレッサンド」、「コルトン・クロ・デュ・ロワ」、そして「シャルム・シャンベルタン」といった銘醸畑を所有しています。
今回おすすめの「ジュヴレ・シャンベルタン・ラ・ジュスティス」、「ドメーヌ・アントナン・ギヨン」ではとても日当たりの良い、2,58㏊を所有しています。土壌は粘土石灰質で、樹齢は35年。手摘みで小さいケースに収穫し、カーヴで選果を行い、木製のタンクで時間をかけて醸造します。ピジャージュと温度管理をし、オーク樽(三分の一は新樽)にて18か月熟成の後瓶詰めされます。美しいガーネット色に輝き、グリオットの果実香が非常に顕著感じ取れます。全体的に丸みがありバランスも良く、タンニンは繊細、早くも熟成し始めた複雑さもかすかに果実味と共に楽しめます。評論家受けを狙った大柄なタイプではなく、「アントナン・ギヨン」のワインは繊細にしてエレガント。料理と寄り添う、伝統的なスタイルを貫いています。
是非、秋の夜長のワインとして、ご指名下さいませ!!。
(2020.10.01[THU])