「 今月のおすすめワイン 」

★7月のお勧めボトルワイン
CHASSAGNE MONTRACET. Les Caillerets '15 (Marc Colin) \20,000
シャサーニュ モンラッシェ レ カイユレ (マルク コラン)
「サントーバン」村は「ピュリニー・モンラッシェ」村と「シャサーニュ・モンラッシェ」村の影に、文字通り隠された小さな村でございます。かつてはそのほとんどが「コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ」で瓶詰めされるほど、目立たぬアペラシオンでしたが、近年、その真の価値が認められるようになり、「コート・ド・ニュイ」の「マルサネ」とともに人気に拍車がかかっています。その「サントーバン」で最も偉大なドメーヌのひとつが「マルク・コラン」です。1944年生まれの“マルク”は1970年、26歳の時にドメーヌを創設しました。当初は「サントーバン」村と「シャサーニュ・モンラッシェ」村に6haの畑をもつのみでしたが、80年代から90年代にかけて畑を広げ、「サントーバン」村、「シャサーニュ・モンラッシェ」村のほか、「ピュリニー・モンラッッシェ」村と「サントネイ」村にも畑をもち、26のアペラシオンを手がけるまでに成長しました。
特級畑「モンラッシェ」を所有する16の造り手のひとりでもあり、10a68caの区画は「シャサーニュ・モンラッシェ村側の最上部、「ギィ・アミオ」の2つの区画に挟まれた形で位置します。またお膝元の「サントーバン」村には8つの1級畑を所有しています。もしも「サントーバン」村のクリマの特徴を知りたければ、このドメーヌの1級畑を並べて試すとよい。と言われるほどです。ブドウ栽培はリュット・レゾネで一部実験的にビオロジック。“マルク”は2000年代前半に完全引退。後を継いだのは3人の息子と一人娘。相続の始まった当初は長男“ピエール・イヴ”、次男“ジョゼフ”、三男“ダミアン”がワインづくりを長女の“カロリーヌ”が事務系をする事で運営されていましたが、すぐに“ピエール・イヴ”が独立。愛妻の“ジャン・マルク・モレイ”の娘“カロリーヌ”と共に「ピエール・イヴ・コラン・モレイ」を立ち上げました。
その後2017年の収穫前に次男の“ジョセフ”が自分自身のドメーヌを立ち上げたため、現在、三男の“ダミアン”が当主であり造り手、特にセラーを担当。長女の“カロリーヌ”とともに、ドメーヌを引き継ぐ事になり、現在のドメーヌの所有畑は12haとなりました。
今月おすすめの一級畑「カイユレ」と言えば「シャサーニュ・モンラッシェ」村の南に位置する一級畑「モルジョ」や一級畑「シャン・ガン」などと伴に、ミネラルと花のような素晴らしい香りとしっかりしたボディで有名な銘醸畑です。粘土や小石が混じりあった石灰岩土壌で、標高約300mの急斜面最上部に位置します。南東に面した畑は程よい日照量に恵まれ、透き通るようなミネラルを伴う気品に満ちたワインが生まれる場所です。
オレンジやスイカズラ、マルメロ、蜂蜜、アプリコットの甘酸っぱい香りをベースに、シナモンやアーモンドのアロマが織り交ざったリッチで優雅な芳香。最初はまだ硬さのある酸ですが徐々に柔らかみが増し、時間の経過と共に現れるオイリーな風味が、見事なふくよかさを引き出していきます。磯をイメージさせるしっかりとしたミネラル。余韻にはレモンピールのようなほろ苦さや火打石のニュアンスが表れ、心地よい爽やかさを印象付けてくれます。
是非、床席の美食のお集りの際には、ご指名下さいませ!!。
(2020.7.01[WED])