「 今月のおすすめワイン 」

★6月のお勧めボトルワイン
VALANDRAUD BLANC '16 Bordeaux \ 20,000
ヴァランドロー ブラン ボルドー
「シャトー・ヴァランドロー」は、皆様ご存じの「サンテミリオン」地区で“ジャン・リュック・テュヌヴァン”氏が手掛ける伝説的なシンデレラワインです。初ヴィンテージの1991年以来、生み出されるワインは高い評価を受け、驚異的なスピードでトップワインに比肩するまでに到達しました。
自身が正しいと思うワイン造りを常に取り入れ、実行に移してきた、研究に熱心なことで知られる“テュヌヴァン”氏、2000年ヴィンテージを造る際、彼は収穫前の予期されていた雨水による水害を防ぐためにブドウ畑の一部(2ha)にビニールシートを敷き、雨水を排除したブドウ栽培を開始しました。しかし、こちらの方法はテロワールの在り方に背くと考えられているため、フランスの公的機関である国立原産地名称研究所(INAO)によって禁止されており、こちらの畑から造られたワインは格下げせざるをえませんでした。
“テュヌヴァン”氏は決まり事よりも優れたワインを生産することを重視し、格下げしてもなお良いワインを造りたいという想いでテーブルワインという位置づけにて、「シャトー・ヴァランドロー」を「ランティルディ・ド・ヴァランドロー」としてリリースしました。フランス語で「禁じられたヴァランドロー」という意味のこちらのワインは、ワイン法によりヴィンテージさえも名乗ることが出来ませんでしたが、中身は正真正銘の「シャトー・ヴァランドロー」の2000年なのです。市場では高値で取引され、当時「最も高価なテーブルワイン」とも言われました。畑を拡張した現在でも、“テュヌヴァン”氏の厳格な栽培と醸造は変わることはなく、遂に2012年の「サンテミリオン」格付けにて第1特別級Bに昇格を果たしました。
今回ご紹介の「ヴァランドロー・ブラン2016年」は「シャトー・ヴァランドロー」が2003年から手掛ける希少な白ワインでございます。年間生産本数約3,000本の希少な白ワイン、「ブルゴーニュ」地方のかの偉大なワインなみです。
ソーヴィニョン・ブラン40%, ソーヴィニョン・グリ40%,セミヨン20%で構成されています。輝きのある、やや緑がかったイエローの外観。ほんのりオイリーなレモン、ネクター、ライムの果実香に加え、ハーブや青い葉、カモミールのノートも引き出されていきます。グラスをゆっくり揺らしますと焼きリンゴやトースト、塩気のあるバターやバニラの甘く芳ばしい芳香が浮遊し、鮮明な印象を植え付けます。透明感のあるミネラルが持続し、柔らかみのある洗練された酸。例えると冷やしたグレープフルーツゼリーのよう。爽やかながら厚みがあり、最後にわずかに残るほろ苦さに魅了される1本です。
ただいま穏やかな気候で居心地の良い床席の乾杯にピッタリでございます、是非、ご指名下さいませ!!。
(2020.6.01[MON])