「 今月のおすすめワイン 」

★11月のお勧めボトルワイン
MOREY ST-DENIS. Les Faconnieres '05 (Lignier Michlot) \25,000
モレ サン ドニ レ ファコニエール (リニエ ミシュロ)
ドメーヌの当主は、1970年生まれの“ヴィルジル・リニエ”。“ヴィルジル”の祖父が1920年代に畑を開墾して以来、ブドウ栽培家としてネゴシアンにブドウを売っていましたが、父親の代の1974年に「アン・ラ・リュ・ド・ヴェルジィ」の畑を購入してドメーヌとしてワイン造りもスタート。現在では約4万5千本(ネゴシアン『ヴィルジル・リニエ』も含む)を瓶詰しています。ちなみに「モレ」村にある『リニエ(Lignier)』の名前がつく所は“ユベール・リニエ”をはじめ全て親戚関係にあります。
“ヴィルジル”は1990年からドメーヌの仕事に携わっており、2000年に父親から完全に当主を引き継いだのと同時に、ブドウ栽培をリュット・レゾネ(減農薬栽培)に切り替え、段階的に有機農法に移行し、何よりも畑での仕事に時間を割いてきました。非常に真面目な性格の持ち主で、常に試行錯誤しながら経験を積み重ねてきたことによって、2003年ヴィンテージ頃から安定して彼の思い通りのワイン造りが出来るようになりました。
父親の時代のワインはヴァン・ド・ガルド(長熟ワイン)タイプの、固く、タンニンの強い、10年~15年経って飲むものでしたが、“ヴィルジル”はミディアムタイプで、瓶詰後最初の5年間の美しさを大切にし、早くからでも飲めるスタイルのワインを造ることを心がけている。更によりエレガントなスタイルを求め、2006年よりデュジャックやDRCと同じく一部除梗せず全房発酵を取り入れています。
“ヴィルジル”は“ロベール・グロフィエ”、“ダヴィッド・デュヴァン”等と親交が深く、頻繁に集まっては意見交換を行い、更なる品質向上の為に日々努力しています。その仲間の1人、「デュジャック」の醸造担当“アレックス・セイス”は彼の実力を認める一人です。「ル・クラッスマン」2007年度版では、ブルゴーニュ全体でも5軒しかない「Nouveaudomaine et Domaine asuivre(初掲載かつ注目すべき生産者)」として紹介されており、2009年度版では、「デュジャック」、「フレデリック・マニャン」等に並ぶ1ツ星評価を獲得しました。
栽培方法として、ブドウ栽培にはリュット・レゾネ(減農薬栽培)を採用。段階的にビオへと切り替え、2010年より完全有機農法となりました。平均樹齢は60年以上、単位収穫量は通常、40~45hl/ha。手作業で収穫後、セラーに運ばれたブドウには選果台で2段階の選果(1段目では悪いブドウを取り除き、2段目では全房発酵用の茎まで熟した房をより分ける)が行われる。低温浸漬後、発酵を行い、抽出しすぎないように発酵温度や味わいを適宜チェックしながらピジャージュをする。熟成は樽にて約14ヶ月・新樽30%。澱引き後は無清澄、無ろ過で瓶詰されます。
特級畑「クロ・ド・ラ・ロッシュ」のすぐ下に位置し、“ヴィルジル”の祖父の代に小さな実をつける株をセレクション・マサルで植樹したため、毎年エキスが凝縮した粒の小さなブドウが得られる。口いっぱいに広がるボリューム、熟した果実、とろけるタンニン、深みのある『甘美さ』を堪能したい珠玉の一本です。
是非、ご堪能下さいませ!!。
(2019.11.01[FRI])