「 今月のおすすめワイン 」

★10月のお勧めボトルワイン
NUITS ST GEORGES.Aux Boudots '13 (Meo Camuzet) \35,000
ニュイ サン ジョルジュ オー ブード (メオ カミュゼ)
NUITS ST GEORGES. Aux Murges '13 (Meo Camuzet) \35,000
ニュイ サン ジョルジュ オー ミュルジェ (メオ カミュゼ)
「メオ・カミュゼ」の歴史は、1900年代初頭、「ヴォーヌ・ロマネ」村の生産者であり「コート・ドール」県議会議員でもあった、“エチエンヌ・カミュゼ”氏から始まりました。 このドメーヌの特徴は何と言ってもその特級畑の質と量。「ヴージョ」村と「ヴォーヌ・ロマネ」村を中心に「クロ・ド・ヴージョ」、「リシュブール」、「エシェゾー」、「コルトン」という4つのグラン・クリュ、6つのプルミエ・クリュを所有する「ブルゴーニュ」屈指の名門ファミリーです。
「メオ・カミュゼ」は、ワインの神様と呼ばれている“アンリ・ジャイエ”氏がコンサルタントを務めていたことでも有名。1989年から醸造を担当する“ジャン=ニコラ・メオ”氏は“アンリ・ジャイエ”氏に直接指導を受けた数少ない人物のひとりで、その指導のおかげで、風味の深さや果実味のインパクト等、「メオ・カミュゼ」の酒質は向上しました。現在も、“ジャン=ニコラ・メオ”氏が経営を行い、畑の仕事は、以前から小作人として働いていた“クリスチャン・フロワ”氏がこれまでの経験を活かしたアドバイスをしながら行っています。
収穫は全て手摘み。これまで“アンリ・ジャイエ”氏の醸造法に倣い、100%除梗を行っていましたが、2004年から全房発酵を試験的に導入。2011年以降、「エシェゾー グラン・クリュ レ・ルージュ・デュ・バ」、「ヴォーヌ・ロマネ」の1級畑、「オー・クロ・パラントゥ」、「ニュイ・サン・ジョルジュ」の「オー・ブード」には全房発酵したワインが、約15%ずつ含まれています。その結果、造りだされるワインは、これまでの果実味重視のスタイルから、より複雑味を備えエレガントなスタイルへと変化しつつあります。新樽の使用については、グラン・クリュとプルミエ・クリュは100%、その他のワインは約50%にて18ヵ月熟成。その後、ノンフィルターで瓶詰されます。
今回は、「メオ・カミュゼ」の「ニュイ・サン・ジョルジュ」を代表する二つの銘柄をご紹介致します。まず一つ目は「オー・ブード」。
「ニュイ・サン・ジョルジュ」の銘醸畑「レ・ダモード」のすぐ隣に位置し、「ヴォーヌ・ロマネ」の一級畑「オー・マルコンソール」とも地続き。「メオ・カミュゼ」が所有する約0.5haの区画には、平均樹齢55年のブドウ樹が植わっており、「ニュイ・サン・ジョルジュ」の中では比較的柔らかい印象のワインが生み出されています。赤系ベリーの果実の香りが鮮やかで、強く優しいミネラルのエレガントな印象は「ヴォーヌ・ロマネ」に近いイメージです。かなりの熟成ポテンシャルが感じられます。
もう一つは、「オー・ミュルジェ」。
「オー・ブード」と地理的には同一線上にあり、土壌も変わらないのですが、不思議と出来上がるワインは全くの別物。「ヴォーヌ・ロマネ」の影響はなぜか薄らぎ、模範的な「ニュイ・サン・ジョルジュ」に近いようです。ベリー系果実の香りが強く、そこに腐葉土や石、甘いキャラメルのようなニュアンスや動物を思わせる匂いが絡み合った非常に複雑な香りを持っています。粘性はやや強くオイリーな印象は「ニュイ・サン・ジョルジュ」ならではです。
まさに、「ブルゴーニュ」を代表する作り手の「ドメーヌ」ものです。現在、ワイン愛好家の標的の一つとされ、なかなかお目にかかることも本当に少なくなりました。このチャンスに是非、ご堪能下さいませ!!。
(2019.10.01[TUE])