「 今月のおすすめワイン 」

★9月のお勧めボトルワイン
GEVREY CHAMBERTIN.Mes Cinq Terroirs'13 (Denis Mortet) \18,000
ジュヴレィ シャンベルタン メ サンク テロワール (ドゥニ モルテ)
「ドメーヌ・ドニ・モルテ」の起源は、“シャルル・モルテ”氏が、手に入れた1haの土地でワイン造りを始めた1956年まで遡ります。1993年、当時の当主であった“ドニ・モルテ”氏が父、“シャルル・モルテ”氏から畑を受け継ぎドメーヌが誕生しました。彼は父の元で17歳から手ほどきを受け、あの「ブルゴーニュ」の神様、“アンリ・ジャイエ”からワイン造りを教わったことでも有名です。そんな「ドニ・モルテ」のワインは、ドメーヌを始めると同時に称賛を集め、“ロバート・パーカー”氏からは、『 「ジュヴレ・シャンベルタン」のスターになり得る』と絶賛され、「ル・クラスマン」では、「ロマネ・コンティ」、「ルロワ」と並び、3つ星生産者の常連として名を連ね、後の「ブルゴーニュ」ワインの一角を担う存在として期待されてきました。しかし、2006年、“ドニ・モルテ”氏は、突然自らの命を断ってしまいます。天才と言われた彼のショッキングな死は、「ブルゴーニュ」のワイン関係者や愛好家に大きな衝撃を与えました。そんな中、ドメーヌを引き継いだのは、当時はまだ20代後半だった息子の“アルノー”氏。彼は1997年からドメーヌを手伝い始め、その後も「メオ=カミュゼ」や「ルフレーヴ」、さらにオーストラリアなどで研修を積んでおり、父に勝るとも劣らぬ実力です。
現在、母“ローランス”、祖父“シャルル”と共に、丁寧な畑仕事と自然なワイン造りに取り組んでいます。「ドニ・モルテ」が所有する畑は、グラン・クリュの「シャンベルタン」、「クロ・ド・ヴージョ」の他、5つのプルミエ・クリュを含んでおり、2014年からは分益農法の形で「マジ・シャンベルタン」と「ボンヌ・マール」が新たにラインナップに加わりました。「テロワールを表現するのはブドウが全て」という信念の下、化学肥料などは用いず、一貫して有機栽培でブドウを育てています。ヘクタール当たり1万本という高い植樹率、村名でも20年〜50年、一部は80年を超える高い樹齢、ワインに苦味、青臭さが付くことを避けるための100%除梗を行うなど、独自のこだわりを持ったワイン造りを行っています。
「あまり強すぎるワインよりも、ブドウのポテンシャルを最大限に引き出しつつも、エレガントでテロワールに忠実なワインを造りたい」
と、“アルノー”氏が言うように、ブドウの良さがきちんと表現された、繊細かつ優雅で凝縮感に溢れたワインが造られます。父“ドニ”氏の時代に比べると、滑らかさとエレガントさが増しており、「ジュヴレ・シャンベルタン」とは思えないほどの繊細な雰囲気が特徴です。
今月ご紹介の「メ・サンク・テロワール」は「私の5つのテロワール」という意味を持ち、村名ワインとヴィエイユ・ヴィーニュ、「アン・シャン」を統合したスペシャルキュヴェ。今までは若い樹齢の樹のブドウを古樹のブドウと区別するために、村名ワインとヴィエイユ・ヴィーニュをリリースしてきました。しかしここで“アルノー”氏は大きな決断をし、若かった樹も古樹のブドウと同程度の高品質になったと判断したため、以前造っていた「メ・サンク・テロワール」のラベルを2005年以来復活させ、すべてをブレンドしたスペシャルな1本を造りました。「ドニ・モルテ」のスタイルが存分に堪能できる、しなやかなタンニンと綺麗な酸が見事に調和した、美しい1本です。是非、ご堪能下さいませ!!。
(2019.9.01[SUN])