「 今月のおすすめワイン 」

★7月のお勧めボトルワイン
NUITS ST-GEORGES.Les Damodes '99 (Lecheneaut) 25,000
ニュイ サン ジョルジュ レ ダモド (レシュノー)
“フィリップ”と“ヴァンサン”の“レシュノー”兄弟が運営するこのドメーヌは、1986年創業の若さながら瞬く間に高評価を得て成長しました。
今はなき「モラン」というネゴシアンで働いていた父、“フェルナン”がふたりに残した畑はわずか3ha。それを18アペラシオン(年によって変動あり)、およそ10haの規模にまで拡大させたのです。「ニュイ・サン・ジョルジュ」村を拠点とするドメーヌですが、畑はさまざまな村に点在しています。「マルサネ」村、「ジュヴレ・シャンベルタン」村、「モレ・サン・ドニ」村、「シャンボール・ミュジニー」村、「ヴォーヌ・ロマネ」村、「ニュイ・サン・ジョルジュ」村、「ショレイ・レ・ボーヌ」村……、そして「オート・コート」にも。
ブドウ栽培は事実上のビオロジックで、いくつかビオディナミ的な調合物も使っています。しかし、認証を得るつもりはまったくないようです。
醸造方法をみると、原則的に100%除梗ですがヴィンテージとクリマによってはいくらか梗を残します。10〜12度の低温マセレーションを4、5日続けた後、自然にアルコール発酵。トータルで3週間のキュヴェゾンを行います。その後、およそ16ヶ月の樽熟成。村名ワインでも新樽率は50%と比較的高く、「ニュイ・サン・ジョルジュ」村を例にとると1級「レ・ダモド」は70%、「プリュリエ」は100%に上がります。これだけ高い新樽率も、ワインの凝縮度に自信があるからにほかならないのです。
畑の地質は、茶褐色の石灰土壌、砂利、シルト粘土、白ウーライトが起源で凍結・解氷と科学的な風土によりできた赤みがかった礫などに、天候によって発展した「羊の頭」と呼ばれるチョーク石灰岩の岩が結び付いています。
これらの巨礫はピンク色の石灰岩の上に横たわり、チャート(珪質堆積岩)の平地と伴ってプレモ―と呼ばれています。
「レ・ダモド」は、「ヴォーヌ・ロマネ」村に接した北端にあります。その先にある「ヴォーヌ・ロマネ」村の畑も同じように「レ・ダモド」という名前が付いていますが、つづりが違います。「ニュイ・サン・ジョルジュ」村の「レ・ダモド」も、ひと続きで上部と下部に分かれており、上部は村名、下部は1級畑となります。「レシュノー」は、どちらにも畑を持っていますで、ブレンドして村名格として売っていたのです。今は下部の畑が増えたので、1級として単独で造れるようになりました。2011年のことです。
「ヴォーヌ・ロマネ」のようなエレガントで華やかな香り、ピュアな果実味が組み合わさり、きれいなストラクチャーで、柔らかくしなやか。約20年近い熟成で紅茶やキノコ、かすかに獣臭もまとい始め、リキュールのような、ねっとりと感も出て、ようやく個性を発揮してきております。
是非、お楽しみください。!!!
(2017.7.01[SAT])