「 今月のおすすめワイン 」

★11月のお勧めボトルワイン
CHAMBOLLE MUSIGNY Les Chatelots ‘10 Louis Latour \ 35,000
シャンボール ミュジィニー レ シャトロ.ルイ ラトゥール
ルイ・ラトゥールの歴史は古く1731年にコート・ド・ボーヌで葡萄を栽培したことから始まります。コルトンきっての大地主であり所有する畑は60haに達します。また偉大な白ワインであるコルトン・シャルルマーニュは、ルイ・ラトゥールがコルトンの丘にシャルドネを植えたことから生れました。
19世紀後半、ヨーロッパのぶどう畑はフィロキセラという害虫の被害を受け、壊滅状態になりました。そこで当時の4代目当主は、従来この地域の主力品種であったアリゴテ種やピノ・ノワール種を引き抜き、シャルドネを植樹しました。
これは当時のブルゴーニュの常識では考えられなかったことで、多くの批判を受けまし。、しかしこれが後に、ブルゴーニュの3大白ワインのひとつと言われる「コルトン・シャルルマーニュ」が誕生するきっかけとなったのです。以来、「コルトンの帝王」と称され親しまれています。
またブルゴーニュの中で最も多くのグラン・クリュ(28.6ha)を所有する生産者でもあります。プルミエ・クリュや村名を含めると100以上のアペラシオンを造っており、それぞれのテロワールを表現するためルイ・ラトゥールは、研究と分析を重ねています。
その研究結果から、良いワイン造りに欠かせない健康な畑をつくり、ブドウの害虫や病気に対処するために有機栽培を行います。農薬の使用を最小限に抑え、ブドウの木を剪定した後に出る枝や、発酵を終えたブドウの皮などから独自の堆肥を作ったり、自然な栽培を行っています。
急な斜面では馬を使って耕作をします。そのため土壌を圧することなく、柔らかい土の中で動植物が活発に活動し、自然酵母などの動きも促されるのです。
ルイ・ラトゥールは毎年100以上のブルゴーニュのアペラシオンからワインを造っています。伝統的なそれぞれのアペラシオンの個性と品質を引き出すための樽熟成は大変に重要な工程です。そのためにルイ・ラトゥールでは樽を自社で作り、それぞれのワインごとにフレキシブルに対応しています。
作り上げる樽は、フランス北部の森のオーク材を屋外で雨風にさらして、30~36ヶ月間乾燥させます。その後樽の職人が伝統的な技術で作ります。ワイン造りに使用される樽は、ワインがエレガントで洗練された仕上がりとなるよう、樽がワインに与える要素を細かく考慮されています。アペラシオごとに樽の仕様を緻密に変更することで、それぞれの畑のテロワールの特徴を強調することができると考えています。
また新樽と古樽の使用比率もアペラシオンの特徴により細やかに調整し、また収穫した年の作柄も考慮に入れます。白ワインのグラン・クリュは新樽率100%で熟成されますが、赤のグラン・クリュは畑に応じて3分の1から半分の間しか新樽での熟成を行いません。短めの醸しと、短めの樽熟成がルイ・ラトゥールの流儀です。
今月のおすすめの「シャンボール ミュジィニー レ シャトロ」は自社畑のドメーヌ物ではなく、ブドウ栽培者から買い取ったブドウを持ち前の手法で丁寧に醸造、熟成させた、言う所の「ネゴシアン」物です・・・前述しました様に数多くの所有畑から産出する銘醸ワインばかりではなく、ブルゴーニュきっての「大手メゾン」としても知名度が高い造り手で「コルトン・シャルルマーニュ」に至っては、コミューン最大の畑を有し毎年秀逸な「グランヴァン」を造り上げます・・・。
「13年」の歳月を経たこのワインは、シャンボール・ミュジィニーらしい「緻密さ」「華やかさ」「芳しさ」を併せ持ちせ“孔雀が羽を広げたような・・・”と讃えられる、まさにその通りの「フィネス」を感じさせます・・・。
昨今、中々お目にかかれない「熟成ブルゴーニュ」・・・秋の夜長にじっくりとお楽しみ下さい。
(2023.11.01{WED])