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メゾンドヴァン鶉亭

Author:メゾンドヴァン鶉亭
京都鴨川のワインダイニングです

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「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★3月のお勧めボトルワイン
Nuits St Georges 1er Cru Les Vignes Rondes ’12 (Confuron Cotetidot)  ¥23,000
ニュイ サン ジョルジュ レ ヴィーニュ ロンド (コンフュロン コトティド)

ジャッキー・コンフュロンが父からブドウ畑を譲り受けた時、その面積は2.5haしかなかったと言います。現在は11haに広がった畑を、ジャッキーのふたりの息子、ジャン・ピエールとイヴが管理。
ジャン・ピエールはボーヌのメゾン・シャンソン、イヴはポマールのドメーヌ・ド・クールセルをコンサルタントし、ふたりとも有能な醸造家です。ところが性格は異なり、兄のジャン・ピエールは真面目一方ですが、実質的に実家のワイン造りを取り仕切る弟のイヴはシニカルな冗談が耐えないそうです。醸造するアペラシオンは、今やコート・ド・ニュイに止まらずコート・ド・ボーヌにまで及び、ポマールやムルソーも手がけています。特級畑はエシェゾーとクロ・ド・ヴージョに小さな区画をもち、それぞれ樹齢60年と80年の古木です。父ジャッキーの時代からこのドメーヌは遅摘みをモットーとし、可能な限り熟したブドウを収穫。毎年、最後に摘み取りを行う造り手として知られています。
収穫したブドウは、除梗せず全房のまま発酵桶へ。低温マセレーションを行い、ブドウの皮からアロマを抽出。続いて自生酵母による自然発酵。キュヴェゾン全体の期間は長く、樽熟成についても独特のポリシーをもち、新樽率は低い一方熟成期間は長く、30ヶ月に達することも珍しくないそうです。こうして造られるワインは、深みのある色調と豊かなアロマをもち、そして味わいも濃縮感溢れるタイプ。まさにヴァン・ド・ガルドと呼ぶに相応しい、大きな体格のワインとなります。今月のおすすめワイン“ニュイ サン ジョルジュ レ ヴィーニュロンド‘12”は「11年」の歳月を経て色調も均一なトーンに移行し、トップノーズも熟成から醸し出される「フランボワーズ」のブーケから、こなれた酸味の中に「リキュール」っぽい甘さも感じる、まさに「時」を感じさせてくれる「グランヴァン」となりました。かつては伝説の醸造コンサルタント‟ギィ アッカ“氏の指導の下、テロワールを超絶したブルゴーニュらしからぬ「濃いぃ」ワインを範としてきたドメーヌですが、すでにその「呪縛」から逃れて、それぞれの「コミューン」らしさを大事にした「チャーミング」なワインを造り出しています。

(2023.3.01[WED])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★2月のお勧めボトルワイン

CHATEAU BEAUSEJOUR BECOT '83 ¥ 38,000
シャトー ボーセジュール ベコ

「ボルドー」地方の「サンテミリオン」地区はローマ時代からのワイン造りの歴史があり、メルロー種を主体にした銘醸地で、右岸地域で唯一の公式格付けを設けていることでも知られています。「シャトー・シュヴァル・ブラン」や「シャトー・オーゾンヌ」に代表されるように凝縮された果実味としなやかな口当たりを特徴としたワインを産出、「メドック」地区と違い、5,000haの土地に約1,000ものシャトーが密集しています。複雑で変化に富んだ土壌が特徴で、特に優れたワインは、「コート」と呼ばれる「サンテミリオン」の町を囲む石灰岩系の丘陵地帯と、「グラーヴ」と呼ばれる「ポムロル」との境界に近い、石灰質と砂・粘土の斜面の2つの地域から生まれます。「シャトー・ボーセジュール・ベコ」は前者になり「サンテミリオン」村から「シャトー・クロ・フルテ」や「シャトー・カノン」を通り過ぎた所に、「シャトー・ボーセジュール・ベコ」の醸造所はあります。上質なブドウを生み出すことで知られる、「サンテミリオン」の丘のほぼ頂点という素晴らしい場所に位置しており、ブドウ畑はこの丘の周辺に広がっています。
彼らが所有するブドウ畑は16ha。平均収量は37hL/haであり、低収量での栽培にこだわっています。1985年には積極的な買収などのトラブルが理由で、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(第一特別級)からグラン・クリュ・クラッセに格下げとなりましたが、そのことを非常に残念に思い、もう一度かつての名声を取り戻そうと奮起したのが、オーナーの“ドミニク・べコ”氏でした。
彼はブドウ栽培から醸造にいたるまで、一からやり直すことを考え、天才醸造コンサルタントとして知られる“ミッシェル・ロラン”氏にコンサルティングを依頼しました。畑の収穫を制限し、新樽比率をほぼ100%まで引き上げ、より濃縮度の高いワインを造りだしました。そして、ブドウ本来の風味がワインに溶け込むよう清澄も濾過も一切せずにボトリングをするなど、全てを一新した改革を行った結果、1996年の格付けの見直しでは、見事第一級に返り咲きました。
今回ご紹介の「シャトー・ボーセジュール・ベコ1983年」、色調は、縁が相当に琥珀色のガーネット色、エスプレッソ、甘草、カラント、ブラックカラント、チェリー、ブラックベリー、スパイスのような香しさ、酸は非常にこなれ、リッチでフルボディ、しなやかな肉付き、超絶的に純粋で濃厚なエキス分をたのしませてくれます。40年熟成の古酒、ワインだけでも十分に楽しませてくれる逸品でございます、グループ様の語らいの際には、最高です。是非、ご指名下さいませ。

(2023.2.01[WED])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★1月のお勧めボトルワイン

GEVREY CHAMBERTIN.Vieilles Vignes '10 (Serafin Pere et Fils) ¥ 33,000
ジュヴレィ シャンベルタン (セラファン ペール エ フィス)

ドメーヌは、創業者“シュタニラウス・セラファン”が戦後、「シャルム・シャンベルタン」の畑を買ったことに始まります。 彼はポーランドから移住してきた木工職人でしたが、この畑を手に入れたのを機会に栽培農家に転身したようです。
その後、2代目“クリスチャン”が継いで畑を増やし、現在、合わせて5.3haの畑を耕作しています。
所有するアペラシオンは「ブルゴーニュ・ルージュ」に始まり、村名「ジュヴレ・シャンベルタン」のノーマルとヴィエイユ・ヴィーニュ、村名「シャンボール・ミュジニー・レ・ボード」と「モレ・サン・ドニ・ミランド」、「ジュヴレ・シャンベルタン」の1級が「コルボー」、「フォントニ」、「カズティエ」。そして最後に特級「シャルム・シャンベルタン」。この「シャルム・シャンベルタン」はふたつの区画からなり、ひとつは“シュタニラウス”が買った「シャルム」で、もうひとつは“クリスチャン”が手に入れた「マゾワイエール」だといいます。
“クリスチャン“は2012年に完全に引退。現在は、3代目として、“クリスチャン”の娘“カリンヌ”とその従姉妹で同じ年の“フレデリック・グーレイ”の二人で運営しています。“カリンヌ”が販売・管理を、“フレデリック”が栽培・醸造を担当しています。“カリンヌ”は2006年から、“フレデリック”は1999年からドメーヌで働き2003年からは栽培、醸造ともに担当しています。 つくりは“クリスチャン”のつくりを踏襲し、クラシックながらピュアで長熟なタイプのワインを生み出しています。
「セラファン」のワインは高い新樽率が特徴ですが、“クリスチャン”の時代に比べて樽の焼き加減は少ない、「ブルゴーニュ・ルージュ」は40%が新樽を用い、村名「ジュヴレイ」が50%、同ヴィエイユ・ヴィーニュ以上は100%となり、樽熟成期間は14か月。 澱引きなしで樽熟し、その後、アッサンプラージュし、2~4か月間のタンク熟成をおこないます。製樽会社はおもに「セガン・モロー」と「フランソワ・フレール」、前者はエレガントなクリマに、後者はパワフルなクリマに向いているとのことです。ワインがこれほど高い新樽に耐えられるのも、ブドウの品質が確かということに他なりません。
畑での作業はビオロジックに近く、認証は取っていませんが、作業自体はビオロジックそのものにあたります。
依然と変わらず100%除梗し発酵作業をおこないます。発酵は収穫の最後の日以降に開始、収穫したものは発酵が始まらないように低温保管しておき、約1週間で収穫が終わると、そこから発酵作業をおこないます。 キュヴェゾンは約17日間。収穫を待っている1週間とその後の発酵日数の10日間。 その間、発酵初期段階は日に2回のピジャージュ、後半は1回のピジャージュと1回のルモンタージュを合わせておこないます。瓶詰には出来るだけ月の運行カレンダーに従い、月の沈むタイミング、かつ、フルーツの日に瓶詰するようにしている。 しかし、ビオやビオディナミの認証を取るつもりはない、とのことです。
今月、お勧めのワインは「ジュヴレィ・シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュ2010」でございます。村名クラスにあたりますが、ノーマルとは完全に区別されます「ヴィエイユ・ヴィーニュ」モノ、いわゆる、貴重な古木になるブドウでつくられているわけです。新樽100%でつくるクラッシックタイプというわけで、熟成して飲み頃を迎えるまで少々お時間が必要なつくりでございます。時間に余裕がある人は、買ったら10年ほど忘れてしまったほうが、より幸せな結果を得られるはずといわれているくらいです。12年の瓶熟成を経まして、ようやく花開いてきた感じでございます。やはり、色調は濃く、香りの中に、頑強さと熟成を感じさせてくれます、芳醇な果実感が素晴らしく、味わいに構造的な強さを持ちながら、どんどん角が取れてきている様子です。流石、ビックヴィンテージの2010年モノです、素晴らしいポテンシャルでございます。是非、新年のお集りのメインのワインにご指名下さいませ。

(2023.01.5[THU])

「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★12月のお勧めボトルワイン

MOREY ST-DENIS.Les Chaffots '15 (Hubert Lignier) ¥ 28,000
モレ サン ドニ レ シャホ (ユベール リニエ)

1880年頃、“ジャック・リニエ”が「モレ・サン・ドニ」村のいくつかの畑を獲得しドメーヌはスタートしました。以降、息子“ジュール”が引き継ぎ、その後“アンリ”と“ユベール”と続き、60年代にはドメーヌは8haに届くまで拡大しました。 1992年には、“ユベール”の次男“ロマン・リニエ”が“ユベール”と共に働くようになり順調な進化を続けてきましたが、 ドメーヌの将来を託された“ロマン・リニエ”が2004年に他界。以降、老匠“ユベール・リニエ”が引退を撤回して奮起し、「ビショ」で働いていたもうひとりの息子“ローラン”もドメーヌに戻り、「ドメーヌ・ユベール・リニエ」の新時代が始まりました
“ロマン”亡き後、“ロマン”の妻とドメーヌの畑を折半耕作し始めたため“ユベール・リニエ”本人は収穫の3分の1しか受け取れず、 買いブドウによるネゴシアン・ビジネスも平行させることで需要に応えるしか手だてがない時代が続きまた。2014年、この折半耕作の契約が解消され、元々のドメーヌの畑が100%戻ってきました。畑の管理もドメーヌで行えるようになり、2014年からは満足のできる生産を再開しています。
かつてはリッチで凝縮感が高く、新樽の香りも強かった“ユベール・リニエ”のワインですが、故“ロマン”がスタイルを微調整し、 バランスのよいものに仕上げてからというもの、昔の“ユベール・リニエ”を支持していたアメリカ市場だけでなく、 世界的に高い評価を受けるようになっていきました。
“ロマン”が他界し、“ユベール”が現場に返り咲いた時もスタイルを過去に戻すことはせず、 バランス重視の姿勢を堅持しているのは、あまりに早くこの世を去った息子へのオマージュでもあるのでしょう。
 今回、ご紹介の「モレ・サン・ドニ・レ・シャホ’15」は1968年に植えられたブドウ45a、特級畑「クロ・サン・ドニ」の真上、東南東の斜面の兵陵地帯に位置します。ドメーヌの中でも最も強い色調を誇り、ピュアなキャラクターと成熟したタンニンとのバランスがとれています。名だたる一級畑の中でも、頭一つ抜け出している同区画、益々、期待感が膨らみます。是非、ご指名下さいませ。

(2022.12.01[WED])


「 今月のおすすめワイン 」

今月のおすすめワイン

★11月のお勧めボトルワイン

CHATEAU ROL VALENTIN '06 (St-Emilion) ¥ 18,000
シャトー ロル ヴァランタン (サンテミリオン)

シャトーの所有者は、元プロサッカー選手という異色の経歴を持つ“エリック・プリセット”氏です。最初のヴィンテージは1995年と近年の話ですが、すぐに「サンテミリオン」地区の準ガレージワインとしての地位を確立しました。4.6haの畑は二つの区画からなり(畑の2/3は「シャトー・シュヴァル・ブラン」と「シャトー・ラ・ドミニク」に近く、砂利土壌、1/3は「シャトー・ラ・ゴムリー」の北側で粘土質と石灰質の土壌です)、収穫は常に30hl/ha以下に抑えられており、コンサルタントの“ステファヌ・ドルノンクール”の基、樽内のマロラクティック発酵(樽からの風味をより効果的に取り入れるため)、ミクロ・ビュラージュ(発酵中のワインにわずかな酸素の泡を注入して、微酸化を促し、色を濃くしたり、安定させたりする)、100%の新樽熟成、軽い濾過だけで、清澄はしない等のワイン醸造技術が全て採用されました。   
2006年、フランス「ボルドー」地方の天候は日ごとに変わる年で冬は寒く春は穏やか、初夏は暑く8月はまた寒く、収穫の9月には幸い日照が得ることができました。ぶどうは難なく完熟し非常に良いヴィンテージとなりました。特に右岸は(「サンテミリオン」・「ポムロル」)大勢に甘めで濃密な味わいとなりました。
ブドウ品種は、メルロー85%、カベルネ・ソーヴィニヨン8%、カベルネ・フラン7%となっております。色調は光を通さない濃厚な紫色、立ち込める香りは、チョコレートやブラックベリー、カシス、樫樽を思わせる。シャトーが目指す重量感を程よく抑えたワインそのもので、酸味は穏やか、タンニンは果実味にうまく溶け込んでおり、素晴らしい調和を見せてくれます。
また、ラベルとコルクに描かれた「ハートを持った天使のカップル」も愛らしいです。是非、食欲の秋、美食の会のお集りの際には、ご指名下さいませ!!。

ロル・ヴァランタン


(2022.11.01[TUE])

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