「 今月のおすすめワイン 」

★12月のお勧めボトルワイン
PICHON COMTESSE RESERVE ’18 (Pauillac) \ 17,000
ピション コンテス レゼルヴ (ポイヤック)
メドック第2級格付けシャトーの中でもスーパーセカンドと呼ばれるトップグループに位置する、『ピション・ラランド』のが造るセカンドワインです。ファーストと同じ畑から造られ醸造工程も全く同じ、セカンドワインのブドウ樹の樹齢が若いことが唯一の違いです。
メドック格付け第一級「シャトー・ラトゥール」と、同じく第二級の「シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン」の間に位置するシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド。第二級シャトーに肩を並べる「スーパーセカンド」として、長年ボルドーファンに愛され続ける人気銘柄のひとつです。エレガンスと力強さを兼備するそのしなやかなスタイルは、「ポイヤックの貴婦人」として一目置かれています。
17世紀まで遡ると、かつてピション・バロンとピション・ラランドは1つのシャトーでした。当時の当主ジョセフ・ドゥ・ロングヴィル男爵は相続のためにシャトーを5人の子供たちに分割。その結果、兄弟はピション・バロンを、姉妹はピション・ラランドを受け継ぎました。今日のシャトーの名声築いたのは、1978年に父からこのシャトーを引き継いだランクサン夫人です。ステンレス発酵槽の新設、樽貯蔵室の拡充、テイスティングルームの新設などを行い、品質の向上に貢献。2007年からルイ・ロデレールのオーナー、ルゾー家の所有となっており、カベルネの比率を上げるなどすることで、よりエレガントなスタイルにシフトしています。
また、シャトー・モンローズで活躍した若き醸造家ニコラ・グルミノー氏が2012年より支配人に就任し、醸造棟のリノベーションを実施。区画毎の醸造をより厳密に行うことで、より緻密なスタイルに変化。1990年代まではポイヤックの中でも特にメルロの比率が高く、メルロ由来の丸みのあるタンニンが特徴でしたが、徐々にカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が増え、2013年にはシャトー史上初めてカベルネ・ソーヴィニヨン100%で造られたことで大きな話題となりました。スーパセカンドとして確固たる地位を築いた今でも、現状に満足することなく常に進化を続ける、今後も目が離せない注目のシャトーです。
その「グランヴァン」が造るセカンドワイン「ピション コンテス レゼルヴ ‘18」は「カベルネ・ソーヴィニヨン 53%、メルロー 42%、プティ・ヴェルド4%、カベルネ・フラン1%」のアッサンブラージュ中のメルローの比率の高さからか、カシスやラズベリーのアロマ、甘いハッカや薬草、アップルパイなどのニュアンスが感じられ、時間の経過と共に複雑な香りが楽しめます。口当たりはビロードのように柔らかく、上質さを感じるタンニン。鮮明な甘酸っぱさのある酸は新鮮で活気に満ちています。正に「ラランド」らしい繊細で優美で上品な「フィネス」を醸し出します。
(2023.12.01[FRI])